SAP
SAP導入に必要な費用は?タイプ・規模別に解説!
SAPの導入によって、業務プロセスの標準化やデータの一元管理が可能となります。
しかし、SAPの導入にかかる費用が気になり二の足を踏んでいる経営者やIT担当者は少なくありません。
そこで今回は、SAPの導入費用を決める要因や内訳について解説していきます。
なお、弊社ではSAPの導入支援をおこなっています。
導入費用や導入方法でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
SAP導入の費用相場と費用を決める要因
SAPの導入には、一億〜数百億円規模の費用がかかります。
以下2つの要因によって、費用が大きく変わってきます。
- 導入範囲や導入期間
- アドオン開発の量
ここでは、SAP導入に必要な費用相場と、費用が決まる要因について解説していきます。
導入範囲や導入期間
SAPをどの範囲で導入するかによって、費用は異なります。
会計のみで導入すれば全体の費用は安く済みますが、会計だけでなく生産・物流・販売など、広い範囲で導入すればその分高くなります。
また、導入にはコンサルタントを付けるケースが少なくありません。
広範囲になればなるほど、長い期間に渡ってコンサルティングを受けることも珍しくないため、費用も膨れ上がります。
拠点についても一か所なのか複数なのか、国内だけなのか海外にも展開しているのかで、導入期間や検討範囲が変わるため費用に影響するでしょう。
アドオン開発の量
SAPを導入するにあたって、SAPの標準機能だけでは実現できない要件を、個別に開発するケースがあり、このことをアドオン開発と呼びます。
要件定義の段階で、業務内容をSAP標準の機能に合わせられればアドオン開発の量が少なくなり、費用を抑えられます。
逆に業務内容を変えず、現状の業務内容に合わせてアドオン開発ばかりすると、設計・開発・テストの期間が伸び、費用が必要となります。
また、アドオン開発が多い場合、開発費用だけでなくバグ対応の増加による保守費用の増大も考慮しなければいけません。
SAP導入費用の内訳
SAP導入にかかる費用の内訳は、主に以下のとおりです。
- ハードウェア
- ソフトウェアライセンス
- 導入ベンダー
- アドオン開発
それぞれ解説します。
ハードウェア
ハードウェアは大きく分けて、オンプレミスとクラウドに分けられます。
オンプレミスは自社で物理サーバを設置し、自分たちで管理するタイプです。
対してクラウドは、インターネットを経由して、コンピュータ資源を利活用します。
オンプレミスのメリットは自社でサーバを管理するため、自社の希望に合わせた柔軟な設定ができることです。
デメリットは、サーバの選定・購入・設定を自分たちでする必要があり、初期費用がかかったり、一度購入したサーバのスペックを変えられなかったりする点が挙げられます。
一方、クラウドのメリットはサーバを借りるだけで良いため、設定が簡単で初期費用も比較的安く、拡張や縮小が簡単な点です。
デメリットは、他社がサーバを管理しているため、設定の融通が利きにくい点が挙げられます。
ソフトウェアライセンス
SAPを使用し続けるには、ライセンスが必要です。
SAPだけでなく、データを抽出するETLや基幹業務システムのERPなどにも継続的な費用がかかります。
参考までに、SAPのライセンス費用だけでも1ユーザ月額19,800円ほど必要です。
ETLやERPは別途固定費用が発生するため、SAP導入による投資効果が得られるかどうかは事前に確認しておきましょう。
導入ベンダー
SAPを導入する場合、導入のノウハウを持った専門家のサポートが欠かせず、導入ベンダーに依頼するケースがほとんどです。
しかし、導入ベンダーに依頼すれば当然、導入におけるコンサルティング費用が発生します。
要件定義からリリースまでサポートしてもらう場合、継続費用が必要です。
導入期間が長引けば長引くほど、サポート期間も伸びるため費用もかかります。
できるだけ短期間でSAPの導入が完了するよう、導入目的や自社の課題は事前に決めておきましょう。
アドオン開発
業務内容をSAP標準の機能に合わせるのではなくアドオンによって対応する場合、都度開発費用がかかります。
開発に外部の人材を活用する場合、一人月あたり100万円以上が必要となることも珍しくありません。
SAP導入の費用を抑えたいのであれば、業務内容をSAP標準の機能に寄せて、極力アドオン開発を減らしましょう。
SAP導入のメリット
SAPを導入することで、以下のようなメリットが得られます。
- 意思決定の迅速化
- セキュリティの強化
- 運営体制の構築
- 業務の効率化
- 運用負荷の軽減
詳しくは、「基幹システムにSAPを導入する意味は?5つのメリットを徹底解説」の記事でメリットについて解説していますので、参考にしてください。
【4STEP】SAP導入の流れ
次に、SAP導入の流れについて確認しておきましょう。
一般的な流れは以下のとおりです。
- 課題・導入目的の明確化
- 製品・ベンダー選定
- 要件定義・システム設計・開発
- テスト・リリース・運用分析
それぞれ解説します。
1.課題・導入目的の明確化
まず、SAP導入の目的を明確にしましょう。
SAPの導入目的があいまいで、導入そのものがゴールになってしまうとSAP導入期間が長期化してしまいます。
現在、自社がどのような問題を抱えていて将来どのようにしたいかを明らかにすることで、短期間での導入を実現でき、価格を抑えられます。
2.製品・ベンダー選定
SAPの導入目的が決まったら、製品・ベンダーの選定をおこないます。
費用削減のため安い製品・ベンダーを選ぶことも重要ですが、安さだけを軸にしてしまうと満足したサポートを得られない事態も起こり得ます。
そのため、SAP製品やベンダーと自社業務の相性が良いかどうかもチェックしましょう。
自社に合わない製品やベンダーを選んでしまうと、思うようにSAP導入が進まず、時間・費用の両方が無駄になります。
3.要件定義・システム設計・開発
要件定義・システム設計・開発は基本的にベンダーがおこないます。
自社の要望を満たしているか適宜レビューをおこない、問題があった場合は早い段階で修正をかけることが費用削減に繋がります。
4.テスト・リリース・運用分析
開発が完了次第、テストをおこない問題がなければリリースします。
SAPを運用する中で障害が発生したりバグが見つかったりすれば、都度改修が必要です。
基幹業務に蓄積されたデータをリアルタイムで集計し分析することで、迅速かつ正確な意思決定が実現できます。
SAPの導入事例
最後に、SAP導入の成功事例を確認しておきましょう。
今回ご紹介する事例は、以下の2社の事例です。
- 伊藤忠商事
- スクウェア・エニックス
また、SAPの導入事例は、「SAPの導入企業事例10選(日本・世界)費用・導入失敗理由も紹介」でもまとめています。
伊藤忠商事
日本を代表する総合商社の伊藤忠商事では、SAP HANAの超高性能を活用し、ビジネスデータ分析のため次世代全社統合データ基盤を構築しました。
製品・顧客などあらゆるデータの一元管理で、物流・人事データを集約し、現場のニーズに応じた情報を迅速に提供することで、レポートにかかる時間が10%以下に削減された事例です。
スクウェア・エニックス
ドラゴンクエストやファイナルファンタジーなどのタイトルを抱えるスクウェア・エニックスでは、SAP S/HANAの導入によりデータに基づいた経営判断が可能となりました。
ゲームの売り上げ状況をリアルタイムで判断することで、次のアクションが打てるようになったとCIOの佐藤氏は語っています。
まとめ
SAPを導入する場合、企業の規模や利用期間によって費用に大きな差が出ます。
導入目的をしっかり決め、費用対効果を見極めたうえで導入の検討をしましょう。
また、ノムラシステムコーポレーションでは、SAP導入のサポートを提供しております。
導入を検討している方は、ぜひ一度ご相談ください。