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SAPとは?SAPの特徴やERPシステムを導入するメリット・注意点を解説

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SAPとは?SAPの特徴やERPシステムを導入するメリット・注意点を解説

SAPとは、ドイツに本社を置くSAP社が提供するERPシステムのことです。

SAPを導入することで、企業は経営資源を一元管理でき、迅速な意思決定が可能になります。

そこで今回は、SAPの特徴や導入するメリット・注意点についてわかりやすく解説します。

これからSAPの導入を検討される担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

「SAP(エス・エー・ピー)」とはソフトウェア開発会社の略称

SAP(エス・エー・ピー)は、業務管理ソフトウェアを開発する会社の略称です。

読み方は「サップ」ではなく、アルファベットを一つずつ読む「エス・エー・ピー」となります。

SAPは、社内データを一元管理し、作業履歴の可視化やリアルタイムでの情報更新を可能にするシステムを提供しています。

これにより、組織はすべての業務プロセスを統合的に管理し、経験や勘に頼らずデータドリブンな意思決定を実現できるため、迅速かつ正確な意思決定が可能になります。

その結果、競争力を維持しやすくなるでしょう。

SAPが提供するERPシステムとはビジネス全体の運営の計画と実行を支援するシステム

SAPが提供するERPシステムは、企業の経営を効率的に計画・運営するためのツールです。

ERPシステムは、人事・経理・サプライチェーン・購買・サービス提供など、さまざまなビジネスプロセスを効率化・自動化する際に役立ちます。

SAPのERPシステムには、ECCやS/4HANAといった製品があります。

SAPのERPシステムが日本で普及した背景

1970年代にERPシステムが登場し、世界中で大きな注目を集め、多くの業種で導入が進みました。

特に技術部門では、複雑な製造プロセスの効率化や在庫管理の精度向上、さらにはリアルタイムでのデータ分析が可能となり、業務変革を支援したことが、ERP普及の大きな要因となりました。

日本でも1980年代ごろから多くの企業がERPパッケージを導入し始め、国内でのERPの普及を促進するきっかけとなりました。

SAPがソリューションを提供してくれる分野の種類

SAPは、企業の規模や業種を問わず、多岐にわたるソリューションを提供しています。

例えば、中小企業向けのERPでは、販売、顧客管理、経理業務などのオペレーションをサポートし、ビジネスの成長に応じた拡張が可能です。

中堅企業や子会社向けのERPでは、人事やサプライチェーン管理などのビジネスプロセスを簡易化し、限られたリソースでも業務の効率化と競争力の向上をサポートするツールを提供しています。

大企業向けのERPでは、蓄積されたデータを機械学習で分析する機能や、既存のデータベースを統合した新しいインメモリーデータベースの提供が可能です。

これにより、複雑な業務でも必要なデータを迅速に収集し、分析して意思決定に役立てることができます。

SAPの基幹システムが提供する主な機能は以下のとおりです。

  • 経理・財務
  • 人事管理
  • 調達・購買
  • 販売
  • 製造
  • ロジスティクス・サプライチェーン管理
  • サービス
  • 研究開発・エンジニアリング
  • 設備資産管理

これらの機能により、事務処理や設備投資管理といったノンコア業務から、販売や研究開発、製造などのコア業務に至るまで、あらゆる業務を最適化できます。

基幹システムにSAPを導入するメリットについては以下の記事でくわしく解説していますので、参考にしてみてください。

関連記事:基幹システムにSAPを導入する意味は?5つのメリットを徹底解説|Digital Library

SAP ERP 6.0は2027年にサポート終了するため注意が必要

SAP ERP6.0 EHP6 以上のサポートは2027年に終了するため、注意が必要です。

また、SAP ERP6.0 EHP5よりも古いバージョンの製品は2025年でサポートが終了するので、導入や運用には慎重な対応が求められます。

「SAP 2025年問題」として、SAP ERP製品のサポート終了は以前から話題になっていました。

SAP ERP 6.0も、当初は2025年にサポート終了予定でしたが、2027年まで延長されています。

SAPの2025年問題の詳細については、以下の記事も参考にしてみてください。

関連記事:SAPがサポート終了!2025年(2027年)問題と対応方法を紹介

これからSAP基幹システムを導入する企業はS/4 HANA一択

これからSAPを導入する企業は、自動的にSAP S/4HANAを利用することになるため、2025年問題を考慮する必要はありません。

SAP S/4HANA Cloudは、大きく分けて「Public Edition」と「Private Edition」の2種類があります。

SAP S/4HANA Cloud Public Editionはクラウドベースで提供されており、インターネットに接続されたどのデバイスからでもすぐにアクセスして利用できます。

そのため、導入が簡単であることが大きなメリットです。

SAP S/4HANA Cloud Public Editionの主な機能には以下が含まれます。

  • ベストプラクティスの提供
  • 迅速な価値の実現
  • 自動的かつ継続的なアップデート
  • 継続的なイノベーション
  • セキュリティの担保
  • 柔軟な拡張性

SAP S/4HANA Cloud Private Editionは、各組織のニーズに合わせてカスタマイズできるクラウドERPです。

これまでの機能や利便性を維持しつつ、最新の機能と高い柔軟性を提供してくれます。

SAP S/4HANA Cloud Private Editionの主な機能には以下が含まれます。

  • 財務
  • 調達・購買
  • 商品ライフサイクル
  • サプライチェーン
  • 製造
  • 営業
  • サービス
  • 設備資産

SAPのERPシステムを導入する3つのメリット

SAPシステムのメリット

SAPのERPシステムを導入するメリットは以下の3つです。

  • 業務プロセスの標準化や効率化を図れる
  • データを一元管理できる
  • 会社としての信頼性が向上する

業務プロセスの標準化や効率化を図れる

SAPは、業務プロセスの標準化と効率化を実現するために、世界中で広く導入されています。

SAPを導入することで、業務を国際的な基準に沿って標準化することが可能です。

ここでの標準化とは、業務の進め方や手順、データの扱い方などを統一し、複数の拠点や部門で同じ基準で運用できるようにすることを指します。

この標準化によって、生産プロセスが効率化され、生産リードタイムの短期化も期待できるでしょう。

参考記事:An Overview on SAP S/4HANA Deployment Options and Transition Paths 

データを一元管理できる

SAPを導入することで、会計や人事・生産管理など、これまで各部門で個別に管理されていたデータを一元化できます。

統合されたデータはリアルタイムで関連部署に共有できるため、業務のズレや遅れを防ぐことができ、部門間の綿密な連携や意思決定の迅速化が可能です。

会社としての信頼性が向上する

SAPは世界中で広く利用されているシステムであり、非常に高いシェアを誇っています。

SAPのシステムを採用することで、社内の業務プロセスが標準化され、効率的に業務を行えるようになります。

これにより、取引先や関係者に対して、業務の安定性や信頼性を示すことができ、間接的に信頼性向上に貢献する可能性があります。

SAPのERPシステムを導入する際に理解しておくべき注意点

SAPのERPシステム導入においては、以下の点に注意しましょう。

  • 導入費用がかかる
  • システム操作に慣れる必要がある
  • SAPに関する知識を身につける必要がある

導入費用がかかる

SAPの導入には、さまざまな費用がかかります。

具体的には、以下のような費用が発生する可能性があります。

  • ソフトウェアのライセンス費用
  • サーバ利用料
  • システム導入費用

特に企業の規模やカスタマイズの範囲によっては、導入費用が億単位に達することもあります。

SAP導入にかかる費用については以下の記事でも解説していますので、参考にしてみてください。

関連記事:SAP導入に必要な費用は?タイプ・規模別に解説!|Digital Library

システム操作に慣れる必要がある

SAPは多機能でさまざまな業務に対応できる一方で、設定や操作が複雑になることがあります。

そのため、システムに慣れるまでには時間がかかることも少なくありません。

導入や使用に際しては、経営者や現場のスタッフに対して、SAPとは何か、どのような機能があるのかといった基本的な説明を行いましょう。

また、SAP導入事例を参考にして導入するとどのようなメリットがあるかを具体的に伝えることも効果的です。

SAPに関する知識を身につける必要がある

SAPを導入するだけでは業務の効率化は達成できません。

導入後にシステムを効果的に活用するためには、SAP S/4HANAの基本的な概念から、ユーザーエクスペリエンス(UX)向上を目指したFioriの活用方法、Embedded Analyticsを使用したリアルタイム分析まで、SAPに関する具体的な技術や機能に関する知識をしっかりと身につける必要があります。

そのためには、マニュアルの整備やプロジェクトリーダーの配置が重要です。

また、外部からSAPの専門家を招き、社員に対する教育を行うことも有効です。

SAPのERPシステムを導入して業務効率化を図ろう

SAPを導入することで、データを一元管理し、業務プロセスの標準化と効率化が可能になります。

その結果、競争優位性を確立し、資源を効率的に配分できるでしょう。

ノムラシステムコーポレーションでは、お客様のニーズに合わせたSAP導入サービスを提供しています。

SAP導入をご検討中の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。


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