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SAPモジュールとは?主要なモジュールの機能と関連性を解説
SAPモジュールとは業務領域別の機能群のことです。
本記事では、SAPモジュールの概要から、代表的なモジュールの概要、導入の方法などを丁寧に解説します。
本記事を読めばSAPモジュールのイメージが明確になり、自社に合ったSAPや基幹システムの導入方法がわかるでしょう。
SAP導入に関するご相談やご依頼は、弊社ノムラシステムコーポレーションでも承っております。
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SAPモジュールとは|業務領域別の機能群
SAPモジュールについて解説する前に、SAPとは何か簡単に解説します。
SAPとは、ERP(Enterprise Resource Planning・企業資源計画)と呼ばれる、ヒト・モノ・カネなどの企業資源を一元管理して効率的に経営するためのシステムの1つです。
ERPには生産、販売、会計などのさまざまな業務をサポートする機能が備わっています。
SAPモジュールとは、各業務ごとに業務内容に合わせた機能をまとめたソフトウェアのことです。
さまざまなモジュールから自社の業務に使用するモジュールを選び、カスタマイズしたシステムを利用します。
SAPの代表的な8つのモジュールを紹介
SAPモジュールの中でも代表的なモジュールを紹介します。
1.FI(財務会計)
財務会計(FI)とは「Financial Accounting」から派生した言葉で、財務会計領域を処理するモジュールです。
FIモジュールは、債権・債務の管理や総勘定元帳の管理などの役割を果たします。
また社外向けにも公開するレポートである財務諸表を出力するための仕組みが構築されています。
会計はすべての企業に共通する業務のため、SAPを導入するほとんどの企業が利用しているモジュールです。
2.CO(原価管理)
CO(Controlling)とは原価管理の機能を果たすモジュールです。
COモジュールは主に間接費管理・製品原価管理・収益性分析の3つの要素から構成されます。
製造にかかる直接費と間接費から製造原価の算出や、売上と原価の情報をもとに品目や得意先などの項目別に収益性の分析が可能です。
FIモジュールが社外向けの会計を管理するのに対し、COモジュールは社内や経営陣の意思決定や施策決定の指標に使われます。
3.SD(販売管理)
SD(Sales and Distribution)は販売管理モジュールです。
SDモジュールによって受注・製品の出荷・売上計上までの一連のプロセスを管理できます。
販売・出荷・請求などの伝票作成機能や、MMモジュールと連携したリアルタイムでの在庫状況の確認や在庫の引当を行うことが可能です。
またFIモジュールへ会計データを自動連携することによって入力の手間とミスを省くことができ、業務効率化を促進します。
4.MM(在庫購買管理)
MM(Material Management)は在庫購買管理に該当する領域のモジュールです。
MMモジュールによって製品や資材の発注、入庫、在庫管理など一連の流れを効率的に管理できます。
たとえば、在庫数が計画で定めた基準を下回った場合に自動発注する仕組みや、在庫チェック機能により在庫がないのに受注してしまうのを防ぐことが可能です。
また在庫金額を管理して、FIモジュールに会計情報として自動連携することもできます。
5.PP(生産管理)
PP(Production Plannning)は生産管理の領域の機能を持ったモジュールです。
PPモジュールでは生産計画を中心に、製造指図・製造実績など製造に関わる一連のプロセスを管理します。
PPモジュールの重要な機能の1つにMRP(Material Requirements Planning)という機能があり、MRPによって在庫情報から発注すべき資材の量と納期が割り出され、生産計画に沿った発注が可能になります。
また製造にかかった費用や時間を実績データとしてCOモジュールにも連携可能なため、コスト分析にも役立ちます。
6.QM(品質管理)
QM(Quality Management)は品質管理領域で機能するモジュールです。
QMモジュールの利用により、出荷する製品や納品された材料の品質が基準を満たしているかどうかを自動的に検査可能です。
MMモジュールと連携すると検査結果を在庫に連動させ、合格した製品のみを利用可能にする運用も実現できます。
検査に関する項目は自社の基準に合わせてSAP上にて設定可能です。
7.PM(プラントメンテナンス)
PM(Plant Maintenance)はプラント(設備)の運用保守に関わるモジュールです。
設備の検査・修理・保守に関する業務を管理し、メンテナンス作業に必要な作業指示も作成できます。
PMモジュールはさらに設備や機械のメンテナンスを効率化し、稼働率を向上させる機能も持っています。
大規模な設備を使用する製造業やインフラ業界で主に活用されます。
8.PS(プロジェクト管理)
PS(Project System)はプロジェクト管理領域のモジュールです。
長期間の工事や大規模システムの導入といったプロジェクトの、計画立案から実行・完了までの進捗、コストを管理します。
土木・建設業界、製造業界、IT業界などで活用されることが多いモジュールです。
長期・大規模のプロジェクトでは計画が非常に複雑になり、進行するごとに計画との乖離も大きくなるため、プロジェクトの全体像把握と管理の最適化のためにPSモジュールが大きな役割を果たします。
SAPモジュール活用に必要な2つの作業
SAPモジュールは自社の業務領域に必要なモジュールを組み合わせて導入することが可能です。
導入を行う際は、業務に合った仕様に設計することでSAPの機能を最大限活用できます。
SAPモジュール活用に必要な2つの作業を紹介します。
1.パラメータ設定|自社用にカスタマイズ
パラメータと呼ばれるSAPシステム全体の設定値を、自社用のフォーマットに定義する作業です。
カスタマイズ・SPRO設定ともいい、パラメータ設定によってSAPの動作を自社用にカスタマイズしていくことができます。
パラメータ設定にプログラミング作業は不要のため、システムに明るい人でなくても比較的設定が行いやすいでしょう。
2.アドオン開発|独自の機能を追加
パラメータ設定で対応できない機能は、アドオン開発を行うことで補完できます。
アドオン開発によって他社との差別化になる自社の強みをシステムに反映することや、不足している機能を追加するなど柔軟な活用ができます。
ただし、アドオン開発をするには追加の開発コストや将来的なバージョンアップ対応などが必要です。
アドオン開発をするほどコストが増加して開発期間が長くなり、不具合などのリスクも高まるため、パラメータ設定を最大限活用することが望ましいでしょう。
SAPの次世代製品|SAP S/4HANAでDXを促進
SAPの導入で代表的なパッケージ「SAP S/4HANA」を紹介します。
SAP S/4HANAはSAP社が提供する次世代のERPで、従来のSAPに比べデータ処理性能が圧倒的に高速化し、業務状況の把握のリアルタイム性に磨きがかかっています。
また業種別に最適化された運用や外部機能との柔軟な連携も可能です。
SAP S/4HANAを活用することで、業務効率化やシステム間の連携強化、データの蓄積・分析などにより、自社のDX(デジタルトランスフォーメーション)を促進できます。
まとめ
SAPモジュールの効果的な導入によって、企業資源の一元管理と社内の業務効率化を実現できます。
代表的なSAPモジュールは次の8つです。
- FI(財務会計)
- CO(原価管理)
- SD(販売管理)
- MM(在庫購買管理)
- PP(生産管理)
- QM(品質管理)
- PM(プラントメンテナンス)
- PS(プロジェクト管理)
SAPなど大規模なERPの導入には、モジュールの専門知識やモジュール同士の連携など、設計段階から多くの知識や思想の精査が必要になります。
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