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RPAの導入成功事例12選!業務削減につながる実例を企業と自治体別で紹介!
人手不足解消や業務効率化につながるとして注目を集めているRPA。
導入を考えているものの、自社に合うのかが分からず踏み切れないという担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか?
本記事では、RPAを導入する際に参考になる企業や自治体での12の成功事例を紹介します。
他社ではどのような業務、部署で使用されているのかがわかることで自社の導入スピードを格段に向上させられるでしょう。
RPAとは「コンピュータ上の作業を自動化する技術」
RPA(Robotic Process Automation)とは、ソフトウェアのロボットを使用し、コンピューター上で行われる業務を自動化させる技術のことです。
さまざまな作業を代替させられますが、具体的には下記のような業務の自動化が可能となります。
- システム管理
- データの登録や転記
- Webサイトからの情報収集
【企業】業務効率化を成功させたRPAの導入事例
業務効率化を成功させた企業のRPAの導入事例は下記です。
- 顧客の発注登録業務|株式会社精晃商会
- POSデータのダウンロード・保管|株式会社イーエムネットジャパン
- 金融商品の集計業務|株式会社三井住友銀行
- データ加工や分析業務|楽天カード株式会社
- 仕訳入力|西部ガス情報システム株式会社
- 請求書処理|株式会社フォーバルテレコム
- 医療現場の事務作業|名古屋大学医学部附属病院
自社で滞っている業務や近い業界の事例があればとくに確認しておきましょう。
顧客の発注登録業務|株式会社精晃商会
株式会社精晃商会は、商品パッケージの企画から製造、販売までを一気通貫で請け負う企業です。
多くの企業から受注しているため、現在の従業員数では手が回らず、受注受付業務のずれ込みや締切時間に間に合わないなどの問題が頻発していました。
そこで、RPAツールで不足品を確認するための「品番の欠品リスト作成」や一連の受注〜出荷作業処理を行う「Web発注システム」を自動化。
導入前よりも月間20時間以上の業務を圧縮させられました。
参考:HeartCore Robo 導入事例|株式会社パラミックス
POSデータのダウンロード・保管|カルビー株式会社
カルビー株式会社は、スナック菓子メーカーとして国内最大級の企業です。
営業活動を行う場合、商品が購入された際の情報「POSデータ」は重要な材料となります。
ただ、カルビー株式会社は大手企業であり販売先が多く存在します。
企業によっては、Webサイトの構成や更新頻度が異なるため、それぞれに合わせると多くのコストがかかり、一週間に一度のダウンロードが限界でした。
RPAツールを導入したところ、ロボットが自動的に行うためほぼリアルタイムにデータの動向を把握できるようになり、営業活動をスムーズに行えるようになりました。
参考:導入事例 RPAツール(UiPath) カルビー株式会社様|株式会社サン・プラニング・システムズ
金融商品の集計業務|株式会社三井住友銀行
株式会社三井住友銀行は、国内でも有数の大手銀行です。
2017年に「2019年度末までの3カ年で500億円、中期的に1,000億円のコスト削減」という目標を掲げ、その施策としてRPAツールの導入を行いました。
導入の結果、顧客顧客往訪前の情報収集業務を80%、金融商品モニタリングに関する集計業務を35%効率化することに成功しました。
2019年には、これまでに培ったRPAのノウハウをもとに、グループ外の企業にも生産性向上施策を支援するための会社「SMBCバリュークリエーション株式会社」を設立しています。
参考:業務改革を通じたコストコントロールと生産性向上|株式会社三井住友銀行
データ加工や分析業務|楽天カード株式会社
ネットショッピングモールや生命保険などさまざまな事業を展開する楽天グループの中でも、中核を担うのが金融サービスを提供する「楽天カード株式会社」です。
カード決済システムは自動化されていますが、不定期に発生するデータ加工・分析などの事務業務が約200種類程度あり、工数を減らせないのが悩みの種でした。
そこで、RPAツールを導入し業務の自動化を行ったところ、業務時間を75%も削減することに成功し、これまでの作業時間や作業人数を1/4に圧縮できました。
参考:WinActor®導入事例【楽天カード株式会社】楽天カードがWinActorを導入。RPAで未来トレンドを手に入れた?|株式会社NTTデータ
仕訳入力|西部ガス情報システム株式会社
西部ガス情報システム株式会社は、ガスを提供する中で培ってきた「ソフトウェア開発」や「情報セキュリティ」などの技術を提供する企業です。
同社では、四半期ごとにExcelで行う300項目以上の仕訳入力やチェック作業が4時間かかっており、その度従業員が長時間残業を強いられていました。
Excelでの入力を自動化するRPAツールの導入後、作業時間は5分になり、大幅な作業時間の圧縮に成功しました。
参考:勘定奉行への仕訳入力の時間が5分に RPAを活用して仕訳入力の時間を劇的に減らす方法とは?|株式会社オービックビジネスコンサルタント
請求書処理|株式会社フォーバルテレコム
株式会社フォーバルテレコムは、法人向けのセキュリティコンサルティングや電力サービス、業務支援ソリューションなどさまざまな事業を展開する会社です。
幅広い事業を展開する同社だからこそ、業務が多岐に渡りミスが発生しやすい状況となっていました。
とくに請求書の処理業務は毎月20万件の処理が必要であったため、ミス防止や工数削減のためRPAツールの導入を決定しました。
導入後、年間5,000時間分の業務削減に成功。
時間的な余裕が生まれたことでさらなるDX推進が加速しています。
参考:DXによる業務改善の第一歩としてRPAツール「SynchRoid」を導入|ソフトバンク株式会社
医療現場の事務作業|名古屋大学医学部附属病院
名古屋大学医学部附属病院では、人員不足が叫ばれる医療業界の課題を解決するべく、定型業務を自動化できるRAPツールの導入を決定しました。
最初に、定型業務が多い一部の事務作業の自動化が進められ、計21のRPAツールを作成し、年間841.1時間分の業務削減に成功しました。
今後は全事業部門へRPAツールを展開し、約9,800時間の業務削減を目標としています。
参考:全ての事務部門にRPAを導入。約9,800時間の効率化を目指す|RPAテクノロジーズ株式会社
【自治体】業務効率化を成功させたRPAの導入事例
業務効率化を成功させた自治体のRPAの導入事例は下記です。
- 災害時の職員の配備計画の作成|神奈川県庁
- 給付金支給のための登録業務|鹿児島県奄美市役所
- 保育や税の申告対応|東京都足立区
- 軽自動車税の申請登録|富山県氷見市
- 保育園受付窓口業務|長野県塩尻市
災害時の職員の配備計画の作成|神奈川県庁
2018年サービスのスリム化や働き方改革を推進させるため、RPAツールの導入が決められました。
下記2つの業務にRPAツールを導入し、どちらも大きな業務時間の圧縮に繋がりました。
- 通勤手当の認定処理 20分→5分
- 災害時の職員の配備計画の作成 約30日→5日
どちらの業務も処理が複雑だったものの問題なく導入できたため、今後は県庁内の他部署でも多くの業務を自動化させていくとしています。
参考:RPA実証事業にてRPAの正確性、迅速性、継続性を検証|株式会社大崎コンピュータエンヂニアリング
給付金支給のための登録業務|鹿児島県奄美市役所
2020年政府は、新型コロナウイルスによる家計への影響を支援するべく「特別定額給付金」の給付を決定しました。
市民の窓口となる鹿児島県奄美市役所では、スピーディーな対応を行うため、RPAを活用しました。
システム登録に導入し業務を進めたところ、申請から最短4日での給付を実現。
開始から2か月弱で給付作業が完了し、住民サービスの向上に成功しています。
参考:WinActor®導入事例・自治体編【鹿児島県奄美市役所】高精度なAI-OCRサービスとWinActorの連携により特別定額給付金の支給を最短4日で実現|株式会社NTTデータ
保育や税の申告対応|東京都足立区
東京都足立区は総務省の「業務改革モデルプロジェクト」に参画し、下記のような特定の時期に集中してしまう業務を改善するための検証を行いました。
- 特別区民税、都民税の申告書処理
- 公的年金等支払報告
- 児童育成手当現況届の処理
- 職員の通勤届 など
試算では、職員が人力で行っていた時と比較して、約1,400時間分の削減につながるとしています。
効果だけでなく他自治体への課題抽出となり、多くの自治体の参考となっています。
参考:RPAとAI-OCRを活用した申請書類処理の自動化を検証し、年間およそ1,400時間の作業時間削減を算出|ソフトバンク株式会社
軽自動車税の申請登録|富山県氷見市
富山県氷見市では、時間外労働が多い41の業務を特定し、働き方改革のためRPAツールの導入を決定しました。
とくに「軽自動車税申請登録業務」では、入力ミスの修正時間に多くの工数を費やしていましたが、RPAツールの導入後は年間272,4時間の業務時間の削減に成功しました。
書類処理ではなく窓口の業務に専念できるため、職員のストレス軽減にも同時に役立っています。
保育園受付窓口業務|長野県塩尻市
長野県塩尻市では、近年の保育ニーズの多様化に伴い、繁忙期の時間外勤務が圧倒的に増加しており、職員の負担が大きなものとなっていました。
そこで、従来は紙で受け付けていた入園申し込みを電子申請に切り替え、その電子データの入力を導入したRPAツールで行うようにしました。
その結果、保育園受付窓口業務で年間2,090時間、受付から決定通知発送まで約3.5か月かかっていた業務を2.5か月へと短縮。
作業が効率化されたことで、時間外勤務の大幅な削減となり、職員のモチベーションも向上しました。
まとめ
PCで行う多くの業務を自動化させ、効率化や生産性向上に繋げられる「RPA」。
しかし、RPAを導入したからといって必ず作業が効率化されるわけではありません。
ツールの操作方法や指示を正しく行わなければ、操作の確認や業務後のチェック作業でかえって工数が増えてしまう可能性もあります。
RPAを導入したいが、導入から運用まできちんとできるか不安だという方は、ぜひ弊社へ一度ご相談ください。
これまでに培ってきたノウハウで、それぞれの企業に合わせたオーダーメイドの運用方法をご提案させていただきます。