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RPAで手作業の86%を自動化も!DX導入のコツは”小さな成功”|DXの現場

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RPAで手作業の86%を自動化も!DX導入のコツは”小さな成功”|DXの現場
  • 川野辺
  • PMOコンサルティング事業部 シニアマネージャー

「DXの現場」では、ノムラシステムコーポレーションの現役コンサルタントが、SAPの導入をはじめ、DXに20年以上携わった経験から、DXで重要となるポイントについて紹介します。

今回のテーマは「RPAおよびDX導入」です。弊社は、DXに取り組むお客様に対して、SAP以外にもRPAやその他の最適なツールの提案・導入を支援しています。

本記事では、弊社の取り組み事例やDX導入を進めるためのコツを紹介します。

RPAとDX導入支援

私はDX(デジタルトランスフォーメーション)全般にわたるサポートを担当しています。お客様の要望に応じて最適な方法を一緒に調査し、実装まで支援するのが私の業務です。

私の業務には大きく2つの柱があります。1つはRPA(Robotic Process Automation)の導入支援、もう1つはDX導入支援です。

(※RPAもDXの一部ですが、業務内の比重が比較的大きいため、本記事では分けて記載しています。)

RPAとは、人間がパソコン上で行う作業をソフトウェアが自動で代行する仕組みです。

例えばデータ入力や定型フォーマットの書類作成など、反復的な業務は概ね自動化が可能です。

DX導入支援においては、お客様のDX目標に応じた最適な提案を行い、最も適したツール選定から導入までを支援しています。

ツールは導入自体が目的になりやすいため、お客様の課題を解決するためにもツール提供企業とのやり取りも行っています。

自動化可否の相談から対応可能

RPAやDX導入の際、お客様からのご依頼パターンは主に2種類あります。

1.具体的な要望がある場合

2.どの業務を自動化すべきかを一緒に検討する場合

1.具体的な要望がある場合

お客様側が、すでに「この業務は効率化・自動化できそう」とお考えの場合は、具体的な業務内容からお話をいただきます。

この場合、業務内容をヒアリングすることで具体的な手順や工程を明確化するのですが、お客様の想定以上に自動化できることも少なくありません。

2.どの業務を自動化すべきか一緒に検討する場合

一方「自動化できそうだが、どこから手をつけたらいいか」といったご相談からスタートする場合もあります。

この場合、まずは「毎日繰り返される単純な業務」を自動化の対象として選定します。

毎日繰り返される業務は処理件数が多く、時間がかかっていることも多いため、自動化による効果を実感しやすいためです。

このように小さな業務から自動化を始め、徐々に自動化の範囲を広げていくことを意識しています。

どちらの場合でも、最終的な目標はお客様の業務全体を自動化することですが、想定以上の自動化、業務効率化に驚いていただくことも多いです。

上述した「小さな業務」としてRPAを提案することが多いため、まずはRPA事例を紹介します。

【RPA事例】30社以上の取引データを自動化し、手作業の86%を削減

あるテクニカルサービス企業では、30社以上のメーカーとの取引においてCSV、Excel、PDFなど様々な形式でデータを受け取っていました。

メーカーごとに納品物や金額の記載様式が異なるため、基幹システムに入力する際にはデータの加工も必要です。

さらに、確認作業や修正対応も全て手作業で行っていたため、多くの時間と労力がかかっており、効率化が課題となっていました。

そこで導入したのがRPAです。

RPAの導入により、メーカーごとに異なる様式のデータを自動で統一するだけでなく、基幹システムへの入力も自動化でき、担当者の大幅な業務効率化が実現しました。

具体的には、導入前は5人の担当者がほぼ1日(7時間)かけて行っていたデータ処理が、RPA導入後は1人の担当者が1時間で完了できるようになったのです。

週単位で換算すると、35時間の作業がわずか5時間に短縮され、約30時間分(86%)の手作業が削減された計算になります。

RPA導入により、各担当者は単純作業から解放され、より重要な業務に集中できるようになったのです。

要望に応じたRPAを導入できるのが強み

RPAにはさまざまな種類があり、それぞれのRPAで対応できる業務や機能が異なります。

私たちはお客様のご要望に合わせて、コストや柔軟性を考慮した最適なRPAを選定し、導入をサポートしています。

例えばRPAツールの中には、特定のWebアプリやOSでしか動かないものもあります。

弊社ではOSやブラウザに依存せず、モバイルOSやどんなアプリでも対応できるRPAを提供しているため、様々なお客様のニーズに対応できるのが大きな強みです。

DX導入プロジェクト

弊社ではDX導入として、お客様の課題を解決するためのツールの選定や導入も実施しています。

RPAによる自動化や一部のDX導入に成功し、業務の効率化が実現すると、お客様から「ほかの業務も効率化したい」という新たな要望が出てくることがあります。

次の例は一部のDX導入をきっかけに、DXが社内全体へと広がった事例です。

【DX導入事例】同業務でも部署ごとに独自手法 → 横断的なシステム導入へ

ある電子機器メーカーでは、データ管理や従業員スキルの管理にオンライン表計算ソフトを使用しており、数十枚におよぶシートの管理が大きな負担となっていました。

この状況に対し、お客様からいただいたのが「一部の業務を専用のシステムに切り替えたい」という相談です。

調査を進めると、各事業部がそれぞれ独自の方法で業務を進めており、同じ業務でも異なる方法が用いられていることが判明しました。

そこで、まずは導入したのが営業管理ツールです。営業活動データを一元管理することで、目に見えて業務効率が改善されました。

次に導入したのは、シフト作成や管理に特化したツールです。こちらも同様に業務の標準化および効率化を実現しました。

さらに、既存のツールで対応できない部分に対してはスクラッチ開発も実施。

この電子機器メーカーでは、最初のDX導入をきっかけに、DXプロジェクトは企業全体に広がり、最初の導入から2年経った今でも複数のDX化が進行中です。

本事例のように、小さな取り組みから社内全体へと、DXの取り組みが広がっていくケースもあります。

DX導入は「小さな成功体験」から

上記の事例が示すように、私はまず小さな成功体験を提供し、その後徐々にDXの範囲を広げることが重要だと考えています。

例えば、「基幹システムにデータを登録する」という依頼があった際、売上計上といった一部の作業を自動化することから始めています。事前にExcelデータを用意していただき、データを基幹システムに転記する作業を自動化することで、最初の効果を実感していただくことが目的です。

次に、取引先ごとの異なるフォーマットのデータをRPAで自動収集し、基幹システムにまとめて登録する工程へと自動化の範囲を広げます。それにより、データの入力にとどまらず、その後の工程にも自動化の効果が波及します。

このように、まずは「小さな成功体験」を実感いただくことで、DXが業務ないしは部署で推進できるかもという機運が高まるのです。

なお、自動化を実施する際は基幹システムを活用することによって、いち業務、いち部署にとどまらない自動化が可能です。基幹システムをベースに考えるからこそ、部署の垣根を超えた全社の流れをスムーズにするきっかけとなります。

DX導入のコツ

私がDX導入をご支援させていただく際に意識していることは2点あります。

  1. マニュアルをお客様自身で作成いただくこと
  2. 実務上の使い勝手

それぞれ解説させていただきます。

1. マニュアルをお客様自身で作成いただくこと

RPAやDXツールを導入しても「導入すること自体」が目的となってしまい、実際の運用につながらないケースも珍しくありません。

そのため、私はあえてお客様自身にマニュアルを作成していただいております。自らマニュアルを作成することで「ツールは自分たちで導入し、運用していくもの」という認識が深まるだけでなく、ツールの運用に対する理解も深まるためです。

2. 実務上の使い勝手

私は、実務上の使い勝手も重要だと考えています。

例えばRPAを走らせている際、回線の不調などによりエラーが出て止まってしまうことがあります。多くの場合、こういった場合は最初からやり直しとなってしまうのですが、最初から動かすと余計な時間がかかってしまいます。

エラーで中断した場合に備えて私が構築しているのは、停止した場所から再度実行できる仕組みです。それにより最初からやり直す時間を省き、効率よく作業を再開できます。

上記は一つの例ですが、このように私は、実際に使うシーンを想定した設計を心がけています。

まとめ:小さな成功でDXの可能性が拓かれる

DX導入を実施する際は、まずは「小さな成功」を実感することから始めてください。まずは小さな体験から、徐々に全体に広げていくことが重要です。

日々の業務量が少しずつ増えていくにつれ、従来のやり方では負担が大きくなってきている場合もあると思います。

そういった方々に「もっと楽に、効率的にできる方法」を提供し、サポートできればと考えています。

多くの方が「これはできない」と思い込んでいることでも、実現できる場合があります。

たとえ小さなことでも相談していただければ、新しい可能性が広がるきっかけにもなりますので、お気軽にお問い合わせください。

※本記事の内容は2024年10月の取材をもとにしています。記事内のデータや組織名、役職などは取材時のものです。

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