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RFPとRFIの違いとは?役割や項目だけでなくRFQとの違いも解説
ビジネスの世界では、RFP、RFI、RFQなどの用語は一般的であり、ビジネスパートナーやサービスプロバイダーを選定する際に不可欠です。
しかし、違いや役割、どのように使用されるのかを正確に理解できていない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
これらの文書を適切に利用することで、サービスプロバイダーの選定やトラブルの回避などが可能となります。
そこで本記事では、RFP、RFI、RFQの各項目と役割、そしてこれらの文書を作成・活用するメリットについて詳しく解説します。
RFPとRFIの違いとは「内容の具体性」
RFPとRFIの違いは「内容の具体性」です。
RFPは「提案依頼書」と呼ばれ、ベンダーから商品やサービスに関する具体的な提案をまとめるためのものです。
システム開発の背景や目的のほかに、機能要件や非機能要件を記載してもらい、依頼をするベンダーを選定します。
一方で、RFIは「情報提供依頼書」と呼ばれ、各ベンダーの商品やサービスの一般的な情報の提供を依頼するものです。
ベンダーの比較・検討を容易にするために、定型の文書を提供し、提出してもらいます。
RFPやRFIと混同されやすい言葉
RFPやRFIと混同されやすい言葉には、下記の言葉があります。
- RFQ
- RFx
- RFC
それぞれの用語は似ているものの、まったく意味や目的が異なるものです。
それぞれの意味を適切に理解し、正しく扱うようにしましょう。
RFQ(Request For Quotation)
RFQとは「見積依頼書」と呼ばれ、ベンダーに対してシステム開発の価格や内訳の開示を依頼するための文書です。
定量的な情報であるため、ベンダーを比較しやすくなります。
場合によっては、納期や納品方法、支払い方法といった情報まで記載を依頼するケースもあります。
RFx
RFxとは、xという変数にPかIかQが入るということから、RFP(提案依頼書)・RFI(情報提供依頼書)・RFQ(見積依頼書)の3つの要素を指します。
これらの3つの要素は、「調達価格を決定するプロセス」において非常に重要な要素であり、これらのいずれかに不備があるとベンダーの決定に支障をきたす可能性があります。
また、部門内でRFxのプロセスを明確にすり合わせておくことで、取引先の価格を競合させ、仕入れ費用の削減まで見込むことが可能です。
そのため、取引先を決定するうえでRFxは重要な役割をになっているのです。
RFC
RFCとはRequest for Commentsを略したもので、「意見招請」のことを指します。
読んで字の如く、仕様書に対して、ベンダーやサプライヤーからの意見やコメントを求める際に実施するものであると認識していただければ問題ないでしょう。
RFIに記載する項目
RFIに記載する項目は下記のとおりです。
- 自社の基本情報
- 目的・背景
- 企業の基本情報
- 製品・サービスの基本情報
- 製品・サービスの機能
これらの情報は、公平にベンダーを選定するために必要不可欠な情報です。
RFIを作成する際にはこれらの項目のヌケモレがないようにしましょう。
①自社の基本情報
RFIを作成する際は、発注者の組織に関する情報をベンダーに提供します。
そのため、自社の基本情報は必ず記載するようにしましょう。
【記載例】
顧客管理システム開発プロジェクト 情報提供依頼書
◯◯◯◯株式会社
YYYY年mm月dd日
②目的・背景
プロジェクトやRFIの目的・背景を提供します。
これらの情報をベンダーに共有することにより、ベンダーが目的や背景を適切に把握し、精度の高い情報を提供してくれやすくなります。
【記載例】
このプロジェクトは、顧客管理を適切に行い、営業プロセスを効率化することによる受注率の向上を目指しています。新しい顧客管理システムの開発により、現行の顧客データ管理の課題を解決し、効率的な顧客データの管理と分析の実現を目指しています。
③企業の基本情報
ベンダーに情報を提供してもらう際は、まず企業の基本情報を提供してもらいましょう。
基本情報には、企業の名前、連絡先、所在地、規模、事業内容などが含まれます。
【記載例】
御社の基本情報を下記に記載してください。
会社名:
所在地:
電話番号:
従業員数:
事業内容:
④製品・サービスの基本情報
RFIにはベンダーが扱っている製品やサービスの基本情報を記載してもらいます。
これらの情報を記載してもらうことにより、今後依頼するシステム開発などを過去にも行った経験のある会社かを判断できます。
【記載例】
御社が扱っている製品やサービスの概要に関する基本情報を記載してください。
⑤製品・サービスの機能
ベンダーが扱っている製品やサービスの主な機能や特徴を記載します。
機能を確認しておくことで、今後自社で開発するサービスに流用できる機能がないかなどを確認することが可能です。
また、ここには機能の説明のほかに、メリットやデメリット、活用事例などが含まれます。
【記載例】
御社が扱っている製品やサービスの機能、特徴を記載してください。
RFPを作成する際に記載する項目
RFPを作成する際に記載する項目は、下記のとおりです。
- 会社名・プロジェクト名(表紙)
- 概要
- プロジェクトの背景
- 現状の課題
- 目的・ゴール
- 開発体制と役割
- 本番の稼働時期やスケジュール
- 現状のシステムの状況
- 新システムの方針と対象範囲
- 予算
- 機能要件
- 非機能要件
- その他の要件
- 契約事項
- 提案手続と日程
- 発注者の会社情報
RFPは、ベンダーに具体的な提案を求めるために作成する文書です。
どれだけよい提案をベンダーから引き出せるかは、RFPの内容で大きく変わります。
わかりやすく、かつ具体的なRFPを作成することを心がけましょう。
RFPの詳しい書き方については下記の記事をご参照ください。
関連記事:【無料テンプレ付き】RFPの書き方とは?必要項目をわかりやすく解説
RFPやRFIなどを作るメリット
RFPやRFIなどを作成するメリットとして、下記が挙げられます。
- 業務委託先の選定根拠を明確にできる
- トラブルを回避できる
- 明確な目標のもと仕事を任せられる
RFPやRFIを作成することで、客観的に委託先を選定でき、明確に目的や背景、条件を提示したうえで仕事を任せられるため、トラブルの回避にもつながります。
業務委託先の選定根拠を明確にできる
RFPやRFIを作成することで、業務委託先の選定根拠を明確にできます。
複数のベンダーから同じ項目の情報提供を受けることで、同じ基準でベンダーを比較でき、客観的に選定ができます。
インターネットなどで情報収集する場合は、同じ情報が公開されているとは限りません。
委託先を同じ基準で公平に選定し、選定根拠を明確にするためにも、RFPやRFIは有効であるといえます。
トラブルを回避できる
ベンダーに事前に情報を提供してもらい、要件や条件を明確にしておくことで、プロジェクトが始まってからトラブルになる可能性を低減できます。
たとえば、特定のタスクの成果物の形式や内容、納期を明確にしたり、コミュニケーションの方法や頻度を定めたりすることで、双方の誤解や期待値のずれを最小限に抑えることができるのです。
そのため、RFPやRFIを活用することは、トラブルを未然に防ぎ、質の高い業務遂行を実現する上で欠かせない要素となります。
明確な目標のもと仕事を任せられる
ベンダーに目標やゴールを事前に共有しておくことで、ベンダーもプロジェクトに対しての理解を深めたうえでプロジェクトに取り組めます。
ベンダーとしても、目標から逆算してプロジェクトのスケジュールを組むことができ、体制の構築やリソースの確保できるため、必ず伝えておきましょう。
具体的な想定をベンダーに設定してもらうことで、大幅な納期の遅れや大きな機能の修正なども最小限に抑えられるでしょう。
RFPとRFI、RFQを活用する順番
RFP・RFI・RFQは下記の順番で活用されます。
- RFI
- RFP
- RFQ
一般的に、RFIにて複数ベンダーの情報を開示してもらったうえでスクリーニングを行い、RFPにて具体的な提案をしてもらいます。
その後、RFQで見積もりを比較して、依頼先のベンダーを確定させるという順番です。
RFI・RFP・RFQと段階を踏むにつれ、内容が具体的かつ詳細なものに移行していく流れとなります。
まとめ
RFPとRFIは目的や項目が異なるため、それぞれ似て非なる言葉です。
RFPは「提案依頼書」と呼ばれ、具体的な提案を依頼するために用いられます。
一方で、RFIは「情報提供依頼書」と呼ばれ、ベンダーを選定する際の基本的な情報の開示を依頼する際に用いられます。
それぞれの目的を適切に把握したうえで、適切に使い分けるようにしましょう。