業務効率化
会議の効率化に成功した事例10選!効率的な会議についても解説
会議は、仕事を進めていく上で欠かせないものです。
しかし、時間が長引いたり結論がまとまらなかったりと、非効率的な会議に参加した人も多いのではないでしょうか。
本記事では、会議の効率化に成功した10の事例を紹介します。
生産性が高く効率の良い会議を行いたい方は、ぜひ、参考にしてみてください。
効率的な会議とは短時間で目的を果たすこと
「効率的な会議」とは、目的を達成するために必要な時間と労力を最小限に抑えながら、参加者全員が満足いく議論を行い、結論を出せる会議です。
たとえ完璧な戦略が決まったとしても、参加者の時間を浪費する会議は、効率的ではありません。
労働人口の減少や働き方改革によって人材や労働時間が減っていくなか、企業は業務全体の効率化が求められます。
なかでも、会議は多くの人の時間を使うことになるので、より効率化が求められる場と言えるでしょう。
会議の効率化に成功した事例10選
本章では会議の効率化に成功した企業や自治体の事例を紹介します。
- セラテックジャパン株式会社
- 株式会社インフォテクノ朝日
- 株式会社野村総合研究所
- 株式会社日本ピーエス
- AGCアメニテック株式会社
- NTTデータ株式会社
- 東京都府中市
- 福島県
- 岐阜県
- 境高等学校
それぞれ、詳しく解説していきます。
定例会議の時間短縮により無駄を削減|セラテックジャパン株式会社
セラテックジャパン株式会社は、長野県長野市に本社を構えるセラミックやガラスなどの材料の切断、研削、研磨、真空蒸着などの加工を行う会社です。
労働生産性向上による所定労働時間削減の一環として、会議時間の短縮を目標としました。
会議資料をグループウェアで事前に確認したりルーチン化していた挨拶や発表は廃止したりなど工夫を重ねることで、1時間設けていた会議時間を30分に短縮できました。
会議に制限時間を設けて効率化|株式会社インフォテクノ朝日
株式会社インフォテクノ朝日は、東京都港区に本社を構えるシステム開発、ネットワーク構築、ソフトウェア開発、ITコンサルティングを行う会社です。
インフォテクノ朝日は、会議に制限時間を設けることで、参加者に「時間内で結論を得る」という意識を持たせるようにしています。
さらに、会議そのものの削減や参加者の厳選、定刻5分前に集合し、定刻5分前に会議を終了する「505ミーティング」という独自のルールなどを設定し、会議の効率化を図っています。
ノンペーパー会議の実施で会議の質向上と時間を短縮|株式会社野村総合研究所
引用: 株式会社野村総合研究所
株式会社野村総合研究所は、業務上多くの紙資料を使うため資料の整理や管理が煩雑になっていました。
そこで、共有資料の電子化や個人資料の廃棄などのノンペーパー施策を実施。
会議でも、紙の会議資料の代わりにプロジェクターやスクリーンに資料を投影することでノンペーパー化を図りました。
さらに、会議の必要性や時間などの見直しや目的の共有などの規則を設けたことで、30分以上の会議数や会議時間の削減につながり、議事録作成割合の増加がみられました。
会議費用の見える化によって原価意識の向上|株式会社日本ピーエス
引用:株式会社 日本ピーエス
株式会社日本ピーエスは、福井県敦賀市に本社を置き、橋梁や倉庫などの設計と施工を行う会社です。
働き方改革として環境・ツール・意識を変える取り組みを行っており、その取り組みの一つが「会議費用(人件費)の見える化」でした。
会議は実際のモノの売買が行われる場ではないので、原価という概念を意識する参加者は多くないかもしれません。
しかし、日本ピーエスでは「会議に参加した人数」や「管理職・一般職の時間単価」に「会議時間数」を乗じて、会議費用を算出し、参加者の原価意識向上を図った好事例といえるでしょう。
社内データの共有で会議に使う資料の作成手間を削減|AGCアメニテック株式会社
AGCアメニテック株式会社は、 システムの構築・運用保守を行う会社です。
「無駄な資料を作らない」ことを重点に置き、労働時間の削減や生産性の向上を図っています。
共有ファイルに必要となる日々のデータを入力し、会議の際はそのファイルを参照することで新たな資料作成の手間を削減しました。
また、経理関係や通常業務もできる限り電子化し、会社全体で業務の効率化を図っています。
参考:ちょっとだけヒント~生産性向上取組事例等の紹介~|秋田労働局
高品質なHD映像ツールの導入でリモート会議でもスムーズにプロジェクトを進行|株式会社エヌ・ティ・ティ・データ
株式会社NTTデータは、グローバル展開が加速する現代において、グループ企業間における円滑なコミュニケーションの必要性を感じていました。
しかし、北京や天津などの海外とのリモート会議は画質や音声が満足できるレベルになく、不便さを抱えていました。
そこで、高品質なHD映像ツールを導入します。
その結果、設計図書の図や文字などの細かい部分や、参加者の表情も鮮明に分かるようになりました。
また、遠隔地でも臨場感ある会議となり、意思疎通がスムーズにできるだけでなくプロジェクトの運営や納期短縮を実現しました。
審査会の運営をオンライン形式にすることでコストと作業時間を削減|東京都府中市
引用:東京都府中市
東京都府中市では、介護認定審査会を行う際、音声だけの会議システムを使用していたため、発言のタイミングや相手の表情が分からず、コミュニケーションのすれ違いが起こっていました。
また、紙媒体の資料を共有しながら審議を行っていたため、同じ情報を全員にうまく共有できていませんでした。
そこで、資料共有とビデオ会議が一体となったツールを導入。
表情を確認しながら進められる上、双方向での書き込みも可能なため認識のズレを無くなりました。
また、一箇所に集まる必要もなくなったため、スムーズな審査がおこなえるようになりました。
参考:介護認定審査会の運営をオンライン形式に切り替え、 大量の資料をクラウド共有することでペーパーレス化を実現|シャープ株式会社
立ち会議とハイポジションの打ち合わせの実施で会議時間を2割減|福島県
引用:福島県
福島県は、東日本大震災及び原子力災害を契機に、県民の各種健康指数が悪化傾向にあったため、健康指数を改善するべく、県庁保健福祉部が先導し「ワークサイズ」を実施しました。
ワークサイズとは株式会社イトーキが職場でできる健康づくりの一つとして提案している取り組みで、Work(仕事)とExercize(エクササイズ)を組み合わせた造語です。
元々健康指数を増加させる目的でしたが、ワークサイズの一つ「キャビネットを使用して起立姿勢で行う「立ち会議」」が参加者の足腰に適度な負荷をかけるため、会議時間も約2割削減できました。
また、起立姿勢に近く、不安定な椅子で行うハイポジションでの打ち合わせも行っており、さらに会議の効率化と健康づくりなどの工夫を行っています。
参考:かゆいところに手が届く!−多摩・島しょ自治体お役立ち情報−|公益財団法人東京市町村自治調査会
定例会議と会議に関わる資料や進行方法の見直しで時間外勤務時間を削減|美濃市立美濃中学校
引用:美濃市立美濃中学校
岐阜県にある美濃市立美濃中学校は、生徒と職員の交流時間の確保と「ゆとりある放課後」を生み出すために、定例会議と会議に関わる資料や進行についての見直しを行いました。
これまでは、会議での検討事項が多岐にわたることで、本来検討すべき事案の議論が不十分であったり、開始時刻や終了時刻が曖昧で長時間会議を行っていました。
そこで、中心となる課題に重点を置いた議論や時間厳守で会議を進行するよう見直しを図った結果、職員29名の時間外労働を21.6時間削減することに成功。
また、職員間のコミュニケーションも増し、個々の業務の負担感を軽減できました。
参考:会議の見直しと業務内容の効率化に取り組んだ実践|岐阜県
会議内容を把握して参加することで会議の質向上と時間を短縮|境高等学校
引用:鳥取県立境高等学校
鳥取県にある境高等学校は、会議終了時刻が延びてしまう問題を抱えていました。
そこで、事前に会議資料を参加者に共有し、内容を把握した上で参加するシステムを導入し、会議を開催するようにしました。
その結果、会議時間が短縮するだけでなく、事前に資料を共有し内容を把握できていたことで、会議のポイントや協議、報告事項が整理されました。
まとめ
本記事で、デジタルツールの導入だけでなく会議時間の徹底や原価管理、資料の事前共有など仕組みを変えるだけで効率化を図れた事例をメインに紹介しました。
効率の良い会議は、デジタルツールを使うだけでなく仕組みを少し変えるだけでも図れます。
デジタルとアナログの両方を上手に組み合わせることがポイントと言えるでしょう。
紹介した事例を参考に、自社に最適な方法を探してみましょう。