業務効率化
会議を効率化させるポイント8選!効率化を図れた事例やツールを紹介
「会議」は、問題解決のための意見交換、業務の進捗から結果の共有など様々な目的をもっており、組織を成長させる重要な要素です。
しかし、効率化が図られておらず、必要以上に時間がかかったり結局何も決まらなかったりする会議は参加者の大きな負担となります。
負担の大きさに伴ってモチベーションの低下を引き起こすこともあるでしょう。
そこで本記事では、会議を効率化させるポイントについて解説します。
会議の効率化が重要視される理由
効率的な会議とは、一つの結論が導かれる過程において、より多くの意見が生まれ、より短時間で結論が得られる会議のことです。
働き方改革の推進によって長時間労働への風当たりが強いなか、社内の意思決定や問題解決策を導く会議の効率化が重要視されています。
ただし、現状は効率化が図れているとは言い難い状況です。
以下に示したのは、株式会社識学が調査した「会議に関する調査」から引用したグラフです。
発表データによると、全体の42.0%の人が会議に関して「発言する人がいつも同じ」悩みを抱えていました。
この悩みが最も多く、次に「議論が進まない」が全体の36.7%、続いて「必要ない会議に招待される」が全体の32.7%になっています。
引用:PRTIMES|【会議に関する調査】最長8時間の会議! 会議が長引き残業をしたことがある人7割
特に「議論が進まない」「必要のない会議に招待される」などの、時間の使い方に関連した悩みは長時間労働を助長します。
会議を効率化させるポイント8選
会議を効率化させるポイントは、以下の8つです。
- 会議の目的とゴールを参加者が理解する
- オフラインの会議にこだわらない
- 会議のアジェンダを事前に共有する
- 会議の終了時刻を厳守する
- 会議に参加する人を絞る
- 事前準備を徹底し会議での報告は必要最小限に留める
- ネクストアクションを明らかにする
それぞれ詳しく解説します。
会議の目的とゴールを参加者が理解する
アジェンダに移る前に、会議の目的とゴールを参加者が理解することによって、議論の脱線を防ぎ質の良いアウトプットが得られます。
例えば営業施策会議の場合、目的が「今期の売上目標を達成する」、ゴールが「営業施策を決める」と参加者が理解することです。
一方、目的とゴールが理解されていない会議では、発言が適切かどうかの判断が曖昧になり、質の良いアウトプットが見込めないでしょう。
また、話の収集がつかず会議時間が長くなる懸念もあります。
そのため会議を主催する場合は、可能な限り目的とゴールを設定し参加者に共有してから始めるようにしましょう。
オフラインの会議にこだわらない
会議の参加形式を柔軟にすることもポイントです。
会議によっては参加形式をオフラインとオンラインのハイブリットにすることで、普段なら遠方で参加できない従業員を招集でき、より良質な意見が得られるかもしれません。
冒頭でも触れたとおり効率的な会議とは、多くの意見を短い時間で収束させ結論を導き出す会議ですが、会議に参加するのに多くの時間と労力を割くのでは本末転倒です。
オフラインにこだわらず、オンラインで効率的な会議が可能な場合は、オンライン会議ツールを積極的に取り入れるといいでしょう。
会議のアジェンダを事前に共有する
会議は、内容によって参加者の間で重要度が異なります。
重要な会議だと判断した人は、ある程度準備して参加しますが、そうでない人は必要以上に準備はしないため、意見の質にバラつきが生まれる可能性があります。
アジェンダを事前に共有しておけば、参加者は事前に考えをまとめる時間を確保できるため、意見の質にバラつきが生まれません。
ポイントは、参加者の考える時間を確保することではなく「会議の大まかな流れや内容を周知すること」です。
会議の終了時刻を厳守する
会議に限ったことではありませんが、時間を守ることは非常に重要です。
会議の場合は、終了時間を厳守することで参加者の意識が変わり、無駄な発言や議論の脱線を防げます。
また、他人の時間も使っているという意識をもって参加すると、時間の大切さを認識できるでしょう。
例えば、5人の会議の終了時刻が20分延長したとします。
消費時間に換算すると5人が20分使ったということで、100分もの時間を使ったことになります。
参加人数が増えるほどより多くの時間を使うことになるので、大人数の会議ではより一層終了時刻を意識しなければなりません。
会議に参加する人を絞る
会議の参加者を必要のある人に絞ることで、不要な人員を割かず質の良い会議になるでしょう。
ポイントは、関係者だからといって必要以上に招集しない、参加しないことです。
会議の参加人数を最小限に抑えることで、より円滑に進めることができます。
会議に参加すべき人は、関係者ではなく会議の目的に貢献できる人です。
責任感があり、発言に対する意欲と他人の意見に耳を傾けられる人を選びましょう。
役割を事前に決めておく
会議の役割を事前に決めておくことで、効率よく会議を回すことができます。
具体的には、司会やファシリテーター、タイムキーパーなどの役割を決めることです。
ファシリテーターは、役職の上下にかかわらず統率力を持っているリーダー的存在の人が適任です。
話の脱線や1人が長時間話している際に、ストップや話を戻せます。
ファシリテーターは、あくまで会議中の合意形成に向けたまとめ役であり、アジェンダの進行役である司会とは異なるので、役割を混同しないよう注意しましょう。
事前準備を徹底し会議での報告は必要最小限に留める
会議における報告とは、基本的には「結果」と「原因」の報告を指します。
結果は目標数字に対しての現状と着地予測数字について、原因はなぜ達成あるいは未達成だったのかについてです。
結果に対する原因は、複数になったり連鎖したりするので報告が長くなる傾向があるので注意が必要です。
何を報告しなければならないのかを、きちんと整理して、報告を必要最小限に留めましょう。
原因についての報告を短くするためには、複数ある中から最もインパクトの大きい内容に絞ることをおすすめします。
事前準備では、複数の原因について説明できるようにしますが、会議で指摘されなければ、それら全てを報告する必要はありません。
ネクストアクションを明らかにする
基本的に会議での報告は「結果」と「原因」についてですが、目標とする数字に届かない場合は、「施策」や「対策」などの数字を達成するためのネクストアクションを明らかにするといいでしょう。
なぜなら、目標数字が見込めない時点の報告では、結果や原因よりもネクストアクションが最も重要視されるからです。
ネクストアクションを会議で報告することで、参加者から様々なフィードバックを得ることができ、次につながる有意義な会議にできます。
そのため、目標とする数字に届きそうにない時は、ネクストアクションをしっかりと考え報告するようにしましょう。
会議の効率化が図られている事例
会議の効率化が図られた3つの成功事例について紹介します。
- 長野県長野市
- 株式会社竹屋
- 広合化学株式会社
それぞれ詳しく解説します。
ペーパーレス会議の導入で紙と事前準備時間を削減|長野県長野市
引用:長野市
長野県長野市は、会議資料準備のコスト削減に向けペーパーレス会議を実施しました。
今回対象とした会議は、会議資料が多く効果が顕著に得られそうな「政策会議」と「部長会議」です。
参加者と同じ数の市販ノートパソコンと帯同者用に大型ディスプレイ2台を設置し、会議を実施。
パソコンは庁内のLANに接続され、資料はパソコンを通じて閲覧、質問への回答はインターネット情報も利用することによって補足しました。
ペーパーレス会議を導入した結果、1年間の印刷費用が300万円削減でき会議の準備時間は、導入前の6分の1に短縮されました。
また、資料の差し替えが生じてもデータを修正するのみで、準備後の労力もかかりません。
ZOOMを取り入れ開催負担を軽減|株式会社竹屋
引用:株式会社竹屋
パチンコメーカーとして遊技機の製造販売を行う「株式会社竹屋」は、オンライン会議ツールを導入し、会議参加のための時間ロスの削減とコミュニケーションの円滑化を図りました。
これまでは、営業会議をオフラインで行っていたこともあり、各拠点からの移動に時間や経費がかかることが課題でした。
オンライン会議ツールを導入した結果、営業会議の頻度が上がり活発な意見が交わされるようになりました。
さらに、コロナ禍に伴う移動規制によって出社ができず希薄化していた社内コミュニケーションも改善されました。
参考:社内会議のZoom活用による開催負担の軽減|独立行政法人 中小企業基盤整備機構
会議運営を見直し議論の脱線を防止|広合化学株式会社
引用:広合化学株式会社
自動車部品等のプラスチック製品を製造する「広合化学株式会社」は「付箋」で会議参加者の意見を出し合うことで、新しい視点での改善アイデアが出るようになりました。
以前の会議では、特定の意見のみが反映されていたため、決定事項が偏るだけでなく、新しいアイデアが生まれにくくなっていました。
そこで、業務改善の検討会議に付箋を活用し、似ている課題をグルーピングしながら共有したところ、これまで発言のなかった参加者からの意見創出や決定事項に対する納得性が向上しました。
会議を効率化させるためのツール
会議を効率化させるには、以下のようなツールを導入するといいでしょう。
- オンライン会議ツール
- アジェンダ・会議資料共有ツール
それぞれ詳しく解説します。
オンライン会議ツール
オンライン会議ツールを導入することで、参加にかかる移動や経費を事前準備に充てられるため効率化が図れます。
画面を共有しながら説明できるため「今、どこを説明しているのかわからない」という参加者を減らすことになり、進行がスムーズになります。
また、複数のユーザーが同時にテキストや図形を挿入できるオンラインホワイトボードツールもあり、アイデアを集めたいときに便利です。
他にも会議運営を効率化するツールや議事録を自動作成するツールなどを活用することで、会議のタイムマネジメントや会議後の手間を削減できます。
アジェンダ・会議資料共有ツール
アジェンダ・会議資料共有ツールを導入することで、会議のペーパーレス化につながったり、当日に資料を渡す手間を削減したりできます。
事前にアジェンダを共有できるため、参加者は会議の内容を把握し意見の方向性を事前に考えておけます。
事前に共有できている分、会議終了時刻の前倒しや質の良いアウトプットが期待できます。
まとめ
会議を効率化させる方法は複数あり、業界や職種によって異なりますが、どのような場合でも重要なのが「会議を効率化させて何を実現させたいのか」です。
「残業を減らしたい」のか「良質なアウトプットを創出したい」のか、効率化させる目的をはっきりしましょう。
今回解説したポイントやツールは、その目的を達成するための手段でしかありません。
本記事が会議効率化のポイントを学ぶだけでなく、効率化が図れたその先についても考えるきっかけとなれば幸いです。