人事DXとは?メリットや導入の流れを解説

人事DXとは?

人事DXは、人事領域の業務におけるデジタル化を表します。

しかし、人事DXについての具体的なイメージや、自社にあったシステムがわからないという方もいるのではないでしょうか?

そこで今回は、人事DXを導入するメリットや具体例、導入の流れなどについて解説します。

人事DXの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

人事DXとは?人事とDXの関係性について

人事DXとは、採用・人事評価・企業文化の変革・人材育成など、人事領域の業務をデジタル化し、従業員や企業全体のパフォーマンス向上・企業文化の変革などを推進することです。

例えば以下のようなものがあげられます。

人事DXの例

人事DXを推進するメリット

人事業務を手作業で行っていたり、紙媒体で資料を作成していたりする場合、人事DXを推進することで以下のようなメリットを得られます。

  • 戦略人事に注力できる
  • 人事データの可視化ができる
  • 多面的な人事評価ができる

戦略人事に注力できる

戦略人事とは、企業の戦略を実現するために人事施策を実行する考え方です。

企業が置かれた内部環境・外部環境を分析したうえで、人材採用や適切な配置など必要な取り組みを実行します。

DX化を行うことで、より正確かつタイムリーな分析を可能とし、人的資源をはじめとした投資戦略に注力できるようになります。

人事データの可視化ができる

人事業務でDXを推進すると、人事データを蓄積・分析できるようになります。

その結果、欲しい情報をタイムリーに入手したり、組織の人的リソースを把握しやすくなったります。

データの可視化により人材の適材適所を見極め、配置・転換をはじめとする迅速な意思決定を実現することが可能です。

多面的な人事評価ができる

人が人を判断する場合、目立つ特徴に印象を引っ張られてしまうハロー効果をはじめとする感情的な判断や、一部の側面しか見ずに判断してしまうリスクがあります。

そんなときでもDX推進によって、従業員のデータを集約・分析することで、多面的かつ客観的な人事評価が可能です。

結果として、適切な人事評価によるフィードバックをすることで、従業員の士気向上へとつながります。

人事DXの具体例

人事業務といっても給与計算から評価情報など、業務範囲は広範囲にわたります。

各業務はどのようにDX化できるのか、確認しましょう。

DX化に活用できるシステムや具体例の一部は以下のとおりです

  • 人事管理システム
  • タレントマネジメントシステム
  • 給与計算システム

それぞれ解説します。

人事管理システム

人事管理システムは、評価情報・異動情報・教育履歴など、企業の意思決定に必要な従業員のデータを集約できます。

人事管理システムの導入により、人材の見える化が可能です。

経営資源である人材を見える化して管理することで、人事評価などのメイン業務を効率よくこなせます。

タレントマネジメントシステム

タレントマネジメントシステムは、従業員の基本情報・スキル・能力を一元管理し、共有できるシステムです。

タレントマネジメントシステムの導入により、従業員のスキルや能力を見える化することで、勤務先でのパフォーマンスをシミュレーションできます。

その結果、公平な人事評価や従業員一人ひとりに適したキャリア育成などができるようになります。

給与計算システム

給与計算は人事業務のなかでも煩雑かつミスの許されない業務です。

給与計算をシステムで行うことで、正確かつ迅速に給与額を割り出せます。

今まで給与計算に割いていた人的リソースを他業務に回すことで、組織の生産性は大きく向上します。

【5STEP】人事DXの流れ

ここからは、人事DXを導入するまでの一連の流れを紹介します。

基本的な流れは以下のとおりです。

  1. 課題と目的の明確化
  2. 課題の分析や解決方法、目的の達成方法を検討
  3. デジタル人材の確保とツール選定
  4. システムやデータ活用による業務プロセスの改善
  5. 運用分析と改善

それぞれ解説します。

1.課題と目的の明確化

人事DX推進における最初のステップは、課題と目的を明確にすることです。

自社の採用プロセスや人材配置において、どこに問題があるかを洗い出せれば、すべき対策や導入するべきシステムも見えてきます。

2.課題の分析や解決方法、目的の達成方法を検討

人事DX推進における次のステップは、課題の分析・解決方法や達成方法の検討です。

一つ目のステップで明確にした課題をどのように解決するか、具体的な解決策を考えることで、優先順位や費用感が浮かび上がります。

3.デジタル人材の確保とツール選定

課題の解決方法が固まったら、デジタル人材の確保やツールの選定を行います。

DXの推進には、IT機器やシステムの導入や操作に詳しい方の知見が必要です。

社内でデジタル人材を調達できない場合は、外部に委託することも検討しましょう。

4.システムやデータ活用による業務プロセスの改善

デジタル人材の確保が進み、ツールを導入したら、実際に運用しながらプロセスの改善を行います。

蓄積されたデータをもとに、不足する人材の採用や、適する人材配置に活かしましょう。

5.運用分析と改善

DX化のためのツールは、導入して終わりではありません。

プロセス改善は定期的に行い、PDCAサイクルを回しながら施策をブラッシュアップする必要があります。

人事DXの問題と解決策

人事DX導入が失敗するパターンとして、以下の2つが考えられます。

  • 問題1:導入が目的になってしまっている
  • 問題2:余計な指標に注目してしまっている

失敗を避けるためにも、事前に解決策を確認しておきましょう。

問題1:導入が目的になってしまっている

人事DXを推進する企業のなかには、「DXに取り組まないといけない」と焦りを感じ、導入そのものがゴールになっているケースが見られます。

「なぜ人事DXを導入しなければならないのか」「人事DXを導入することで、どのような改善が見込めるのか」を事前にシミュレーションし、解決したい自社の課題を明確にし、社内で共有してから導入を進めましょう。

問題2:一つの指標に固執してしまっている

人事DXを導入することで、経営指標に変化が起こります。例えば、業務の自動化により生産性が向上し、それが人件費の削減につながる可能性があります。

しかし、システム導入に伴う初期投資や継続的なメンテナンスコストにより、一時的に収益が悪化することも考えられるでしょう。

重要なのは、一つの指標に固執するのではなく、人事DXがもたらす全体的な影響を評価することです。

例えば、従業員の満足度の向上や離職率の低下など、数値化しにくい効果も重要な指標となります。

そのため、一つの指標だけで判断せず、全体を見るように心がけましょう。

まとめ

人事業務をDX化することで、人事データを一元管理化し、人事評価におけるミスの低減や戦略人事への取り組みの迅速化を期待できます。

DX化の推進により経営資源の有効活用が可能となり、マネジメントや人事計画など、コア業務へのリソースの集中が可能となります。

ノムラシステムコーポレーションでは、貴社の人事業務におけるDX化についてサポートするコンサルティングサービスの提供が可能です。

お困りごとがあれば、お気軽にノムラシステムコーポレーションまでご相談ください。

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