業務効率化
業務効率化を図る取り組み6選と効果を高めるポイント・考え方
働き方改革の促進や少子高齢化による人手不足への対応、企業競争力を強化するために「業務効率化」に注目が集まっています。
本記事では業務効率化が必要な理由や進め方、取り組みやテクニック、効果を高めるポイント・考え方などを詳しく解説します。
業務効率化が必要な理由と重要性
業務効率化は企業、社員どちらにとっても、欠かせない施策です。
企業側においては、下記のように「売上」「経費」どちらの観点においても業務効率化が重要とされています。
- 売上:営業・商品開発ともに生産性が向上する
- 経費:余計な外注費・人件費を削減できる
たとえば顧客のリスト作成やマーケティング分析をツールやシステムによって自動化できれば、営業活動の量と質を同時に向上させられ、売上拡大に大きく影響するでしょう。
社員側においても、業務効率化によって労働時間の短縮や業務の負担が軽減され、社員のモチベーションや定着率、生産性の向上につながります。
また、業務効率化は、少子高齢化による人材不足問題を解決する策の1つです。
企業利益増加のためには合理的な生産体制の実現が求められています。
業務効率化の進め方
業務効率化は以下のような4つのステップで進めていきます。
- 現状把握
- 改善点抽出
- 改善計画の作成
- 改善結果の振り返り
問題を洗い出して業務効率化を効率的に進めるための手順を、分かりやすく解説します。
Step1:現状把握
まずは効率化したい業務の現状把握です。
下記の点について書き出し、業務内容を可視化します。
- 業務の内容
- 現在の担当者
- 業務に必要な人数やスキル
- 業務の所要時間や工数
- 業務の発生頻度
文字や数字によって業務を可視化することで、これまで見過ごしていた問題点を発見しやすくなります。
Step2:改善点抽出
可視化により把握した現状の業務から、改善点を抽出します。
同じような作業を実行している場合、省略することで工数を減少させられます。
「改善することで工数を減らせるのか」「他業務の効率化にもつながるのか」などが、改善点を抽出する際のポイントです。
Step3:改善計画の作成
抽出できた改善点を下記のようなポイントでまとめて改善計画書を作成します。
- 業務の問題点
- 改善方法
- 改善にかかる経費
- 所要時間やスケジュール
- 数値目標
作業の廃止や削減、作業順序の変更など、改善コストが小さく、即効性が見込めるものからの着手がおすすめです。
ただし、改善案の実行に伴う社内の混乱を避けるためにも、業務改善計画書は社内で共有しておきましょう。
Step4:改善結果の振り返り
改善策が「どの程度業務効率化につながったのか」を重点的に評価します。
社内の誰が見てもわかりやすいように、工数や売上など定量化できる点で評価するのがおすすめです。
ただし、長期的に利益を向上させていくためには、社員への聞き取りを行い、定量的な評価も行う必要があります。
社員の負担が増えてしまうと、方法が定着しなかったり離職につながったりする可能性があるためです。
実行後でなければ分からない改善点もあるため、振り返りは重要な工程です。
業務効率化を図るための取り組みやテクニック6選
業務効率化を図るために行いたい取り組みやテクニックは下記6つです。
- 明確な目的・目標を定める
- ワークフローを見直す
- 業務マニュアルを作成する
- 社員の育成や長所を考えた適切な人員配置を行う
- IT化・デジタルツールで業務の自動化を行う
- 業務の外注・専門家のアドバイスを依頼する
1つずつ詳しく解説します。
1.明確な目的・目標を定める
改善の目的が「生産コストの削減」なのか「残業時間の削減」なのかでは、実行する施策が大きく異なります。
業務効率化では、明確な目的・目標を定めてから改善を実行しましょう。
例えば、以下のような点を明確にしておきます。
- 業務改善の目的と得られるメリット
- 業務改善後の数値
業務改善では、これまで慣れ親しんだ作業工程の変更を伴うことが多く、目的や目標に対する社員からの理解を得ることが大切です。
研修や日々の朝礼などで目的・目標を逐一共有しておきましょう。
2.ワークフローを見直す
業務における一連の流れ「ワークフロー」を見直すことで無駄を発見し、業務を効率化させましょう。
例えば、経費処理や施策実行のために書類での承認が必須な場合、下記のような無駄が発生している可能性があります。
- 承認者の人数が多く、不在時に業務が停滞する
- 全ての部署で二重チェックが行われている
- 書類のフォーマット不備で記載漏れが起きやすく、差し戻しが多発する
この場合、業務改善策として「承認者の人数を減らす」や「電子書類に変更して、出先でも確認できるようにする」などが挙げられます。
ワークフローを見直すことで、さらなる業務の改善につながります。
3.業務マニュアルを作成する
整理されたマニュアルがあれば、業務の均質化を図れるため、属人化を防止できます。
社員による成果のムラをなくすために欠かせない施策です。
さらに、マニュアルを作成する過程で新たな問題点を発見できる可能性もあるため、一石二鳥の施策ともいえるでしょう。
4.社員の育成や長所を考えた適切な人員配置を行う
業務を効率化するには、社員を多様な視点から判断し適切な人員配置を行わなければなりません。
例えば、下記の様な特徴を持つ社員がいたとします。
- 顧客対応の部署に所属
- 顧客との直接的なコミュニケーションが苦手
- タイピングスキルやOfficeソフトを使用するスキルは高い
長所を考え、この社員を顧客対応の部署から情報処理の部署に変更することで、作業効率を向上させられる可能性があります。
業務を効率化するには、社員の育成や長所を考えた適切な人員配置を行いましょう。
ただし、社員が不当だと感じる人員配置を行うと離職につながる可能性もあります。
本人への聞き取りや確認は必ず行うようにしてください。
5.IT化・デジタルツールで業務の自動化を行う
IT化やデジタルツールの活用で業務を自動化すれば、業務を効率化できます。
特に同じ作業を繰り返す業務は、自動化によって下記のような効果を得られます。
- 作業工数の削減
- 社員の労働時間短縮
- ヒューマンエラーの抑制
例えば、バックオフィスに関するシステムで利用できる機能は、下記のようなものが挙げられます。
- 会計システム:販売管理や購買管理、給与管理などを包括的に管理できる
- 人事システム:人材管理や組織管理、勤怠管理などを包括管理できる
それぞれの企業に合ったシステムを導入することで、短期間での業務効率化が可能です。
6.業務の外注・専門家のアドバイスを依頼する
基本的に依頼する相手は、その業務のプロフェッショナルです。
そのため、採用や育成コストをかけずに即戦力として、業務品質の向上が期待できます。
また「外注せず自社で改善策を実行しているが、思うような結果が得られない」という場合は、専門家にアドバイスをもらうよう依頼するのも有効です。
客観的な視点から指摘されることで、社内では見えなかった改善点が発見できるかもしれません。
業務効率化をより高めるためのポイント・考え方
業務効率化に取り組んでも、思うような効果を得られないかもしれません。
効果をより高めるためには、下記2つのようなポイントを押さえておく必要があります。
- 個人単位で改善意識をもつ
- アイデアを一気に試さない
ここでは、業務効率化の効果をより高めるためのポイントや考え方を解説します。
個人単位で改善意識をもつ
業務改善のための課題解決は、効果が大きいものから行っていくべきですが、小さな課題も放っておくことはできません。
しかし、率先して動いているのが、経営者や幹部など実際に業務を行わない上層部であると、小さな問題に気づきづらい可能性があります。
実際に業務を行っている社員一人ひとりが個人単位で改善意識を持てば、さらに業務を改善していけるはずです。
説明会や話し合いを行い、どんなに小さな課題も社内で共有できるような体制を作りましょう。
業務改善が自社の成長に寄与するだけでなく、社員本人のメリットにもつながることを理解できれば、より効果的に進められるでしょう。
アイデアを一気に試さない
業務改善を行い始めたときは、多くの課題が見つかるものです。
しかし、解決策が分かっても、全てのアイデアを一気に試さず、ポイントを絞って実行しましょう。
必ず結果がでると確信できるものは複数の策を一気に実行しても問題ありませんが、どの施策が結果に影響を与えたのかわからなくなる可能性があるためです。
あれもこれもと分散して実行するよりも、ポイントを絞ることで、一つひとつの問題を確実に解決できるでしょう。
業務効率化に努めることで自社の利益を増加させる
業務を効率化することで、社員の負担軽減や生産性向上、そして、自社の利益を増加させられます。
ただし、社内の業務を全て改善するとなると膨大な時間と労力が必要になります。
できるだけポイントを絞って、大きな結果を得られるものから順番に行うのがおすすめです。
企業全体の利益や社員の働きやすさなどさまざまな観点で改善できるようにしていきましょう。
また、現在の業務に追われており、改善のための労力や時間をかけられない場合は、IT化やデジタルツールの導入がおすすめです。
短期間、高品質での経営・業務改革を考えている場合、ぜひ弊社にご相談ください。