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DX推進の成功事例11選 |最新の成功事例やDX化のポイントも解説

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DX推進の成功事例11選 |最新の成功事例やDX化のポイントも解説

近年、ビジネスを取り巻く環境は急激に変化しており、競争の激化や人手不足、働き方の改革などさまざまな課題に直面しています。

このような環境下で、DXを用いて業務の効率化や新たな価値の創出に取り組んでいる企業は少なくありません。

本記事では身近な企業のDX成功事例を紹介するとともに、DXの成功事例を見るためのポイントを紹介します。

そもそもDXとは「デジタル技術を活用して組織や業務を変革すること」

DXとは「デジタル技術を活用して組織や業務を変革すること」を指し、経済産業省の「デジタルガバナンス・コード2.0」には下記のように示されています。

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」

https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/dgc/dgc2.pdf

よく「IT化」と混同されがちなDXですが、両者には下記のような違いがあります。

DXとITの違い
  • DX:ITを含むデジタル技術を用いて業務そのものを変革すること
  • IT:情報技術を活用して業務プロセスなどを改善すること

つまり「DX」はビジネスプロセス自体の変革を指し、IT化はビジネスにおける個別業務などの最適化と考えておくとわかりやすいでしょう。

DXという言葉はビジネスと結び付けられることが多く、一般的にはビジネスモデルや製品・サービスを変革することという意味合いで使われます。

DXの成功事例を見る際のポイント

DX化を成功させるためには、以下のポイントに沿って成功事例を見ることが大切です。

  1. 事例の目的が自社の目的と一致しているか
  2. 会社の規模感やコスト感が自社に合うものか

成功事例をそのまま取り入れるのではなく、自社に合う形でアレンジして取り入れるとプロジェクトの成功確率が高まります。

自社の課題や目的に合ったものを見る

DXの成功事例を見る際は自社の課題や目的に見合ったものを見るようにしましょう。

DXの導入目的は企業によってさまざまです。そのため、成功の定義も異なります。

DXの目的は大きく分けて3つに分類できます。

名称目的
プロセスDXDXを用いて仕事のやり方を変革する
ワークスタイルDXDXを用いて働き方や働く環境を変える
ビジネスDXDXを用いて既存事業の変革や新規事業を創造する

自社にとって何が目的で、何が成功と言えるのかを明確にし、目的や成功の定義が近い成功事例を探すことが重要です。

成功事例を自社に合う形でアレンジする

DXの成功事例は、そのまま同じことをおこなっても成功するわけではありません。

  • 解決したい課題や会社の規模感は企業によって異なる
  • スケジュールは優先度の違いにより変わる
  • 予算には限りがあるので、全ては採用できない

上記のような課題を把握した上で、自社で活用できるかを検討しましょう。

身近な日本企業のDX事例11選

日本の身近な企業もDXに取り組んでおり、成功を収めています。

本記事では下記の11つの成功事例を紹介します。

  • サトーホールディングス(製造業)
  • フェリシモ(小売業)
  • 滋賀県(行政・地方自治体)
  • 日本航空(航空業)
  • 日本交通(運送業)
  • ファミリーマート(小売業)
  • 日本郵便(物流業)
  • トライグループ(学習支援業)
  • 鹿島建設(建設業)
  • ソニー損害保険(損害保険)
  • ヤマト運輸(運送業)

DXを推進した目的や課題、それに応じた手法は企業によってさまざまですが、どの成功事例もDXを用いて業務の効率化や新しい価値の創出に成功しています。

人事情報を見える化した人事DX|サトーホールディングス(製造業)

▶️プロセスDX | 人事情報を見える化し、人事情報の一元管理に成功

自動認識ソリューションで国内のトップシェアを誇るサトーホールディングスは、タレントマネジメントへ注力するために「カオナビ」を導入しました。

サトーホールディングスでは散在する人事情報を課題としていましたが、カオナビの導入により約2,000名の人事情報を一元管理することに成功しました。

現在、社員データベース機能である「PROFILE BOOK」に多くの人事情報をストックし、一元管理しています。

今後は、評価履歴やフィードバック面談のログなどを蓄積したり、部署の異動計画にも活用していく予定です。

マーケティングDXを取り入れ業務改善|フェリシモ(小売業)

▶️ビジネスDX | コンテンツやメールDMのパーソナライズをおこない、売上に貢献

▶️ワークススタイルDX | 業務を自動化するRPA「Brain Robo」を活用し、年間数千時間の業務時間の削減に成功

ファッションや雑貨をECサイトを通じて販売しているフェリシモは、業務の効率化やECサイト上のコンテンツやメールDMのパーソナライズに成功しました。

フェリシモでは、業務を自動化するRPA「Brain Robo」を活用した業務プロセスの改善と効率化により、年間数千時間の業務時間を削減しました。

また、デモグラフィック情報や購買情報、行動データなどの取得したデータに商品嗜好性を掛け合わせたパーソナライズにより、売上を好調に伸ばしています。

行政手続きをデジタル化、事務負担を軽減|滋賀県(行政・地方自治体)

▶️ワークスタイルDX | 行政手続きをデジタル化し、職員の事務負担軽減に成功

滋賀県の行政では、「住民が行政手続きに必要な書類の判断が難しいこと」と「住民からの問い合わせが職員の負担になっていること」の2つの課題を抱えていました。

これらの課題に対し、滋賀県は「手続きに必要な書類・窓口を案内するシステム」と「申請書を電子データで作成・オンライン申請できるシステム」の2つを導入しました。

これにより、住民がわかりやすく手続きできる環境を整え、職員の負担軽減に取り組んでいます。

GDSを活用して顧客体験を向上|日本航空(航空業)

▶️ビジネスDX | GDSを活用し、オンライン上でリアルタイムでの予約が可能に

1951年からの長い歴史を持つ日本航空(JAL)は、旅客基幹システム(PSS)を刷新するための「SAKURAプロジェクト」を開始し、世界標準ともいわれるGDS「アマデウス アルデア」を導入しました。

GDSとは世界中の航空会社やタクシー会社の予約システムとオンライン上で繋がり、リアルタイムで予約が可能になるサービスを指します。

この「アマデウス アルデア」を導入したことで、モバイル搭乗券などの新しいクラウドサービスにも対応できるだけでなく、従来のシステムや組織体制の維持にかかっていたコストの大幅な削減にも成功しています。

AIを活用した配車予測システム「AI配車」の開発|日本交通(運送業)

▶️プロセスDX | 「AI配車」を開発・導入し、適正な配車が可能に

日本交通はタクシー事業を展開している、日本のタクシー業界では最大手の会社です。

日本交通では、AIを活用した配車予測システム「AI配車」の開発・導入により、稼働率の向上を実現しました。

日本交通では、時期や時間帯、地域によってタクシー需要が変動するため、適正に配車ができない課題に悩まされていました。

その課題に対し、AIを活用することで、気象情報やイベント情報、地域、時間などのさまざまなデータ分析をおこない、タクシー需要の予測に成功しています。

また、AI配車を活用したタクシー配車アプリ「GO」の提供を開始し、現在もタクシー業界を牽引しています。

無人決済で人件費をカット|ファミリーマート(小売業)

▶️プロセスDX | 無人決済システム活用し、人件費やオペレーションコストの削減に成功

大手コンビニエンスストアのファミリーマートはTOUCH TO GOと業務提携をおこない、無人決済システムの実用化に向け協業しています。

TOUCH TO GOの導入店舗では、設置されたカメラなどの情報から、入店したお客様と手に取った商品をリアルタイムに認識。

お支払いは出口付近の決済エリアに立つことで、電子マネー等で、スピーディーに支払えます。

この無人決済システムを導入することで、時間節約のニーズの高い朝や移動時間等の短時間でも買い物ができるだけでなく、店舗の省人化により、人件費の削減やオペレーションコストの削減にも繋がります。

ドローンによる配送で業務効率化|日本郵便(物流業)

▶️ワークスタイルDX | ドローンを用いた無人配送で、業務の効率化に成功

日本郵政では東京都の奥多摩郵便局から奥多摩町の個人宅へドローンでの配送を実施しました。

従来は配達員による配送で20分程度かかっていましたが、ドローンを用いることによって、配送時間を約半分の10分に短縮。

運輸・配送業界は深刻な人手不足に悩まされていますが、このようなドローンやロボット等を使った配送が山間部等における業務の効率化に役立っています。

業界初の映像学習サービス|トライグループ(学習支援業)

▶️ビジネスDX | 業界初の映像学習サービスをローンチし、会員登録者数は100万人超えに

学習支援事業をおこなっているトライグループでは、中・高校生向けのハイクオリティな映像授業サービス「Try IT」を開始しました。

生徒の学習効率を高め、習熟や生徒のケアに集中したいという課題がありました。

今までの家庭教師業で培ったノウハウと行動調査データをもとにポイントを押さえ、継続的に学習ができる仕組みを取り入れた映像授業を設計。

リリース後、会員登録者数は100万人を超える成功を収めました。

AIとロボットの活用で自動化|鹿島建設(建設業)

▶️プロセスDX | AIとロボットを活用し、施工の自動化に成功

建設業を営む鹿島建設では、既存事業の強化と新たな事業モデルの創出のためにDXを推進しました。

デジタル技術を用いて建設ロボットの開発と現場管理手法の変革をおこなった「鹿島スマート生産ビジョン」や、複数の建設用ロボットが自ら判断をおこない、施工を自動化する「自動化施工」により、業務の効率化やコロナ禍でも生産活動を維持することに大きく貢献しました。

AIを活用して運転傾向を把握|ソニー損害保険(損害保険)

▶️ビジネスDX | AIを活用して、事故リスクを算出

ソニー損害保険はAIを活用し、自動車保険の事故リスクが算出困難であった課題を解決しました。

ソニー損害保険はスマホアプリ「GOOD DRIVE」を開発し、個人の運転スキルや傾向を把握し、事故リスクを算出します。

「GOOD DRIVE」はジャイロセンサーや加速度センサーを活用し、運転中のデータを取得し、過去に蓄積された事故データと照合することで事故リスクを算出する仕組みです。

このアプリを活用して、ソニー損害保険は安全運転であると判断された運転手に、保険料をキャッシュバックするサービスをおこなっています。

これにより事故リスクを算出しやすくなっただけではなく、運転手も自身の運転を見直し、安全運転に努める意識が生まれるなど、双方に良い影響を及ぼしています。

会員制ポータルサイトを活用しUI・UX向上|ヤマト運輸(運送業)

▶️ビジネスDX | ポータルサイトにレコメンド機能を搭載し、CTRの改善やアクティブユーザーの増加に貢献

ヤマト運輸では、ビジネス向けの会員制ポータルサイト「ヤマトビジネスメンバーズ」にレジメンドエンジンを導入しました。

このレコメンド機能は、ヤマトビジネスメンバーズ内の35のサービスの中から最適な機能をレコメンドする機能です。

ヤマト運輸では宅急便を便利に利用いただくためのサービスを提供していましたが、企業での営業や経理、総務などの業務にもサポートを拡充を検討。

ヤマトビジネスメンバーズのサイトリニューアルを機に、レコメンドサービスを導入しました。

これにより、お客様の属性や利用履歴に応じたレコメンドがおこなえるようになり、CTRの改善や新規のお客様をアクティブユーザー化することに成功しました。

まとめ

DXを活用することでさまざまな企業が直面する課題を解決し、業務の効率化や新しい価値の創出をしています。

DXの成功事例を見る際には、自社の課題や目的に合ったものを見つけましょう。

成功事例をそのまま取り入れるのではなく、自社の課題や規模、予算感に合うようにアレンジして取り入れることが重要です。

他社のDX成功事例を参考にして、DX推進を検討してみてはいかがでしょうか。

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