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中小企業のDXはなぜ進まない?解決策を成功事例を交えて解説!

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DX中小企業経営課題

中小企業のDXはなぜ進まない?解決策を成功事例を交えて解説!

日本の経済を支える中小企業にとって、DXの導入はもはや必要不可欠です。

しかし現状では多くの企業が導入に二の足を踏んだり、導入計画が進まなかったりしています。

この記事では、中小企業のDXがなぜ進まないのかを説明し、課題を克服するための解決策を成功事例と交えて解説します。

自社のDXを成功に導くヒントを見つけてください。

中小企業のDXにおける課題とは

中小企業がDXの導入で直面する課題は大きく分けて3つあります。

  • 予算面での制約
  • 経営陣の理解不足
  • 人材の確保

ここでは、それぞれの課題の特徴についてご説明します。

予算面での制約

中小企業がDXを導入するには、システム導入費、コンサルティング費、人材雇用費などさまざまな初期投資が必要です。

導入後もランニングコストの増大が予想されます。

中小企業にとって予算の確保は大きな課題となっています。

経営陣の理解不足

多くの経営陣はDXについて表面的には知っているものの、メリットやデメリットを深く理解できていないことからDXへの投資に二の足を踏んでしまう傾向があります。

DXによって得られる結果が見えないため、導入に伴うリスクや失敗の可能性を懸念してしまい、計画の推進に力が入らないという課題があります。

人材の確保

中小企業のDXが進まない背景には、人材不足の問題があります。

日本の労働人口減少や、IT市場の人材不足が深刻化しており、今後も人材不足が続くと予想されます。

人材育成は社内の教育環境が整っていないと難しく、人材確保は中小企業のDX導入における大きな課題となっています。

中小企業のDXを成功させるポイント

中小企業にとってDXは生き残りを賭けた重要な課題です。

予算不足、経営陣の理解不足、人材確保などに具体的な解決策を見出すことが必要不可欠です。

ここでは、DXを成功させるポイントを4つご紹介します。

  • 成功に導くための中長期戦略を立てる
  • トップダウンで組織全体が取り組む
  • 外部の人材を活用する
  • 身近な業務から着手する

成功に導くための中長期戦略を立てる

DX戦略は組織やビジネスモデルの変革を伴うため、短期間の計画では達成が難しく、5年、10年といった中長期的な取り組みが必要です。

まずは中長期の目標を明確にし、目標から逆算してDX実現のためのロードマップを作成します。

全体のロードマップを作成したうえで、具体的な対策に落とし込んでいくことで、変革を着実に進めることができるでしょう。

トップダウンで組織全体が取り組む

多くの中小企業ではDXに対する理解が不足しています。

経営層自らがDXについて学び、従業員に対してその重要性を伝える必要があります。

経営陣や社員の変化への抵抗感をなくすには、DXのメリットやリスクを組織全体で共有し、小さな成功体験を積み重ねることで心理的な障壁を下げ、新しい企業文化の醸成につなげていくことが重要です。

中小企業がDXを成功させるためには、経営層が組織全体の意識改革と文化変革に自ら取り組む推進力が求められます。

外部の人材を活用する

DXを牽引するIT人材の確保や育成は大きな課題です。

初期段階では、社内に人材が不足する場合が多いため、外部のIT人材を活用してDXを推進することが大切です。

しかし、中長期的には社内人材の育成も欠かせません。

知識や技術を蓄積するなどして社内人材の能力向上とモチベーション維持を図る必要があります。

まずは外部の人材を使ってDXを推進させつつ、中長期的に人材の育成もすることが、DX人材を確保するためのポイントです。

身近な業務から着手する

DXの実現は一気にゴールを目指すと、従業員が変化に付いてこれないため上手くいかない傾向があります。

負荷の低いバックオフィス業務などから着手し、小さな成功を積み重ねることが大切です。

業務のデジタル化や既存データの活用など、できる領域から始め、ノウハウを蓄積しながら、徐々に範囲を拡大していくことで計画がスムーズに進められる可能性が高まります。

DXの実現は一気に進める必要はなく、できる領域から着手し、効果検証を行いながら、段階的に取り組むことが成功の鍵です。

業務改善に効果的なツールについては、こちらの記事もご参考にしてください。

関連記事:事務作業効率化を実現!効果的なツール4選と進め方やアイデアを解説

【4ステップ】中小企業のDXの流れ

DXの進め方については、2022年4月に経産省によってまとめられた 「中堅・中小企業向け デジタルガバナンス・コード実戦の手引き」がよいお手本となります。

DX実現へのプロセス

引用:中堅・中小企業向け デジタルガバナンス・コード実戦の手引き|経済産業省

ここでは、手引きにある4つのプロセスについて解説します。

  1. 組織の目標と計画を立てる
  2. 組織全体で変革の準備を進める
  3. 社内のデータを分析・活用する
  4. DXを実現・拡大する

1.組織の目標と計画を立てる

中小企業のDX推進には、経営ビジョンから逆算した構想が必要です。

経営陣が明確なビジョンを策定し、強いリーダーシップを発揮することで、スピード感を持って変革を進めることが期待できます。

経営陣は、今自社がどのような状態にあり、DXの推進にどのような課題があるのか把握したうえで、企業の抜本的なDX変革のため組織の目標と計画を立てることが重要です。

2.組織全体で変革の準備を進める

DX推進の目標と計画ができたら、策定したビジョンを社内全体で共有し、組織を変革させる体制を整えます。

なぜDXを進める必要があるのかという背景と、どのような課題をどのように解決していくのかといった具体的なプランを説明することが重要です。

共有したビジョンを基に、小さな取り組みから始めます。

身近で取り組みやすい個別業務のデジタル化などから着手すると、社員が変革の効果を実感しやすいでしょう。

3.社内のデータを分析・活用する

DXによって蓄積されるデータは、分析し効果的に活用するようにします。

これらの蓄積されたデータは、自社にとって重要な経営資源となるためです。

分析したデータはグラフや表などで可視化して、判断の根拠として重視していくことで、データに基づく合理的な意思決定ができる組織を作り上げることができます。

4.DXを実現・拡大する

社内に変革の意識が浸透し、小規模の改善を繰り返してデータを蓄積できたら、DXを拡大させて組織全体の変革やビジネスの改革を進めていきます。

従業員の協力を得ながら部署をまたいだ業務改革を進めていきます。

データ分析も活用しながらコア業務とノンコア業務に振り分け、ノンコア業務は外注化したり業務そのものをなくしたりするなど、より価値を生み出せるビジネスモデルを作り上げることが重要です。

DXの成功事例

ここでは、DXの導入で社内の課題を解決した2つの会社をご紹介します。

事例1.社員巻き込みで徹底的なデータ分析に挑んだ工場DX

株式会社ヒバラコーポレーションは創業55年の塗装会社です。

人員不足に直面し、社長自らがリーダーシップを発揮してDXに取り組みました。

手作業で行っていた塗装作業を電子化により効率化する取り組みを進めましたが、当初はITに慣れていない社員が多く、社内から大きな抵抗がありました。

しかし、社長が丁寧に説明を重ね、小さな成功体験を積むことで、徐々に社員の理解が深まっていきました。

DXを推進するためには、社員とコミュニケーションを重ねて共感を生み、社員が同じ目標に向かって走れる環境を整えることが重要であることを示す事例です。

事例2.製品製造の情報共有不足と手戻りをDXで解決

西機電装株式会社は、電気室・制御盤メーカーです。

設計変更が多い生産過程で情報共有と手戻りが課題でしたが、生産管理システム導入の失敗で社員の多くはDXに心理的抵抗を持つようになっていました。

そこで、改善意識の高いベテランを味方につけ、弁当発注アプリなど身近な業務改善アプリの導入によりDXの効果を体感してもらうと、徐々に心理的抵抗は少なくなっていきました。

地道な取り組みを続けた結果、今では社員自ら議論し、新しいアイデアがどんどん出てくるようになっています。

その他の事例については、こちらの記事もご参考にしてください。

関連記事:DX推進の成功事例11選 |最新の成功事例やDX化のポイントも解説

まとめ

DX推進において中小企業が抱えやすい課題と解決方法は次のとおりです。

中小企業が抱えるDXの課題           DXの課題の解決策                
予算不足
経営層の理解不足
・人材不足
成功に導くための中長期戦略を立てる
・トップダウンで組織全体が取り組む
・外部の人材を活用する
身近な業務から着手する

経営者のリーダーシップのもと、5年後10年後を見据えた計画を立て、組織全体で変革の準備を進める必要があります。

データ分析と活用を重ね、段階的にDXを実現・拡大しながら組織やビジネスモデルを変革させることが大切です。

DXの導入にお困りの場合は、まずは弊社までご相談ください。

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