DX戦略とは?成功事例や策定の流れを解説

DX戦略とは?成功事例や策定の流れを解説

事業革新のためにDXが必要といわれても、何から始めればよいかわからない企業は少なくありません。

戦略を策定せず、やみくもにDXを進めてしまうと失敗する可能性も高まります。

そこで今回は、DXを進めるにあたってどのように戦略を立てればいいのか、他社の成功事例を踏まえて解説します。

DX戦略とは|デジタル技術を活用した製品・サービス創出の行動計画とアプローチ

DX戦略は、企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)を通じてビジネスモデルを変革し、新たな価値を生み出すための計画や方法のことを指します。

この戦略は経営戦略と密接に関係しており、企業の理念や目標に基づいて策定されるべきものです。

DX戦略を簡単に説明すると、「何を」「いつまでに」「どの方法で(どのようなシステムを使って)」目標を達成するかを具体的に決めることを指します。

DX戦略の重要性|DXを円滑に推し進め、企業の問題を解決する

DX(デジタルトランスフォーメーション)を成功させると、ITの活用により社内業務やビジネスモデルを変革でき、市場競争で優位に立つことができます。

しかし、DXをスムーズに進めるには、事前に詳細な戦略を立てることが欠かせません。

戦略がないまま進めると、無駄や遅れが発生し、成功に至らない可能性もあります。

さらに、DX戦略を従業員と共有せず経営層だけで推進すると、摩擦が生じる可能性が高いです。

まずは従業員に戦略を理解してもらい、全社一丸となって取り組む体制を整えましょう。

DX戦略策定の前にやるべきこと|ビジョン策定

DX戦略を立てる前に、まずは将来の理想的な事業ビジョン(To Be)を明確にし、現在の状況(As Is)と比較しましょう。

現状と理想との差を把握することで、解決すべき課題が明らかになります。

ビジョンは具体的で現実的なものにし、誰もが理解しやすい形で描くことが重要です。

【4STEP】DX戦略策定の流れ

DX戦略の進め方4ステップ

DX戦略における策定の流れを確認しておきましょう。

一般的な流れは以下のとおりです。

  1. 現状把握
  2. 業務範囲の策定
  3. 社内体制の整備
  4. スケジュール策定

1.現状把握

DXの第一歩は、現状把握です。

現在の業務プロセス、システム、課題を徹底的に分析し、問題点や改善点を明確にします。

また、競合他社の状況や市場の動向も把握し、自社のポジションを理解することも重要です。

これにより、DXの必要性や目指すべき方向性が具体化され、戦略立案の基盤が固まります。

現状把握は、データ収集や社員のヒアリングを通じて行うことが効果的です。

2.業務範囲の策定

業務範囲の策定は、DXの中で非常に重要なステップです。

具体的には、どの業務プロセスをデジタル化するのかを明確にします。

業務範囲を策定するには、業務の優先順位をつけ、改善が必要なポイントを特定することが必要です。

現場の意見やデータを基に、最も効果が期待できる業務範囲を選定し、具体的な目標と改善策を設定します。

このプロセスにより、DXの方向性と具体的な行動計画が決まります。

3.社内体制の整備

DXの対象業務範囲を決めた後は、社内体制の整備に取り掛かります。

戦略が決まっていても、人員不足や戦略の浸透不足では効果が出ません。

メンバーや対象部署にビジョンを共有し、全員が一丸となってDXを推進する体制を作りましょう。

メンバーの取りまとめや必要なツールの選定には、ITやマネジメントの知識が求められます。

社内にDX人材がいない場合は、アウトソーシングの活用を検討しましょう。

4.スケジュール策定

社内体制が整ったら、DXを進めるための具体的なスケジュールを立てます。

DXを成功させるには、優先順位、予算、目標期日、人的リソースを考慮し、実現可能なスケジュールを立てることが大切です。

無理なスケジュールは戦略実行段階でのミスを増加させ、メンバーを疲弊させてしまい、成功を遠ざけてしまうため注意しましょう。

DX戦略の注意点3つ

DX戦略を策定するうえで、以下の点には注意しましょう。

  • DXは手段であって目的ではないことを理解する
  • 特定の部署だけでは終わらせない
  • 経営陣がリーダーシップをとる

それぞれ解説します。

DXは手段であって目的ではないことを理解する

DXは、システムを導入することが最終目的ではありません。

本来の目的は、ビジネスの拡大やイノベーションの創出にあります。

システム導入後もPDCAサイクルを回し続け、中長期的な視野でビジネスの成長を目指すことが重要です。

特定の部署だけでは終わらせないようにする

DXで特定の部署が業務効率化しても、他の部署で改善が進まなければ全体のDX推進効果は低くなってしまいます。

DXにおけるクイックウィンを実現した部署は、そのノウハウを他の部署と共有し、全社的なDX推進へと波及させることが重要です。

経営陣がリーダーシップをとる

DX戦略を立てるには、経営陣がまず目的を明確にする必要があります。

経営陣自身が自社の問題を見つけ出し、それを解決しようとする姿勢を示さなければ、ビジョンを共有できません。

ビジョンが共有されなければ、メンバーを統率することは難しくなり、その結果、DX戦略は失敗に終わる可能性が高いです。

DX戦略の成功事例3選

最後に、DX戦略の成功事例を紹介します。

実際に戦略を練る際の参考にしてみてください。

今回紹介する事例は以下の3つです。

  • パナソニック|データサイエンスを取り入れたSCM
  • ゆうちょ銀行|実践的な教育による人材育成
  • JR九州|顧客分析基盤の刷新

パナソニック|データサイエンスを取り入れたSCM

パナソニックは、サプライチェーンマネジメントの改善を目指してデジタルトランスフォーメーション(DX)戦略を策定しました。

この戦略では、従来のシステムによる課題解決からデータを活用した課題解決へと転換しています。

具体的には、4M(人・機械・資材・方法)のデータを活用して現場の無駄を最小化し、推奨される購入先をデータベース化して発注を統制することで、コストの合理化を実現しています。

ゆうちょ銀行|実践的な教育による人材育成

ゆうちょ銀行では、データを活用して顧客のニーズを把握し、最適な商品やサービスを提案することに力を入れています。

データを有効活用できる人材を育成するため、社内でロジスティック回帰分析や特徴量エンジニアリングといった高度な技術を教えるDX実務人材プログラムを導入しています。

JR九州|顧客分析基盤の刷新

JR九州は、DXの戦略として、「顧客体験価値の向上」「オペレーション・メンテナンスの改革」「生産性の向上」を目指しています。

具体的な取り組みとしては、ネット予約の拡充によるユーザビリティの向上や、ドローンを活用した鉄道事業のメンテナンスを進めています。

まとめ

DX戦略を詳細に策定することで、既存業務の改善や新規事業創出がスムーズに進みます。

DXを成功させるには、現状把握や業務範囲の明確化など、段階的かつ綿密に戦略を立てることが重要です。

しかし、膨大な工数がかかるため、満足のいく戦略を立てられないままDXを始めてしまい、充分な費用対効果が得られない企業様もいらっしゃいます。

DX戦略の策定についてサポートが必要な場合は、ぜひノムラシステムコーポレーションにご相談ください。

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