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クラウドERPとは?概要や導入のメリット、成功事例について解説!
クラウドERPとは、インターネット経由で提供される統合的な業務管理システムのことです。
企業のあらゆるリソースを効率よく活用し、業務プロセスを最適化することを目的としています。
この記事では、クラウドERPの概要や導入方法について解説します。
クラウドERPとは?導入するメリットと注意点
クラウドERPのメリットと注意点は下記の通りです。
- クラウドERPを導入するメリット
- クラウドERPを導入する際の注意点
クラウドERPを導入するメリット
クラウドERPを導入するメリットは下記の3点です。
- コスト削減を図れる
- 運用スタッフ(リソース)の低減
- 柔軟性や拡張性
クラウドERP導入の最大のメリットは、コスト削減を図れる点です。
従来のオンプレミス型と比較して運用スタッフが少なくて済むため、初期コストの削減が可能です。
さらに、随時実施されるシステムのアップグレードや保守がクラウドサービスプロバイダによって行われるため、リソースをメインの業務に集中させられます。
近年普及しているリモートワークにも対応しやすい柔軟性や拡張性も魅力的です。
また、データの一元管理が可能となるため、正確かつリアルタイムな情報共有を実現します。
結果として、迅速な意思決定を支援し、機会損失を避けられる点もメリットといえるでしょう。
クラウドERPを導入する際の注意点
クラウドERPを選ぶ際には、セキュリティ対策が万全であることが重要です。
顧客情報や財務データなどの重要な情報が外部のサーバーに保存されるため、クラウドERPの提供元のセキュリティ基準やバックアップ体制をしっかりと確認する必要があります。
また、カスタマイズ性もポイントです。
業務に合わせたカスタマイズが必要な場合には、柔軟性や実装コストも見極めなければなりません。
データの移行やシステム連携の可否も事前に検討し、スムーズな移行計画を立てることが重要です。
クラウドERPの種類は3種類
クラウドERPの種類は、以下の3つです。
- パブリック型クラウドERP
- プライベート型クラウドERP
- ハイブリッド型クラウドERP
それぞれのクラウドERPについて確認しましょう。
パブリック型クラウドERP
パブリック型クラウドERPは、多数の利用者が共有するインフラ上でサービスを提供する形態です。
低コストでの導入が可能で、メンテナンスやアップデートもプロバイダ側が一括して行うため、管理の手間を大きく軽減できます。
ただし、カスタマイズには制限が生じやすく、ほかの利用者とリソースを共有することから、要求が高いパフォーマンスや独自性を求める場合には不向きなケースもあります。
プライベート型クラウドERP
プライベート型クラウドERPは、一企業専用のクラウド環境を提供します。
専用のため、カスタマイズ性やセキュリティが高く、ほかのテナントとのリソース共有による影響を受けにくいメリットがあります。
企業独自のニーズに合わせた柔軟な運用設計が可能ですが、その分コストが高くなる点や専門的な運用管理が必要になる場合もあるでしょう。
ハイブリッド型クラウドERP
ハイブリッド型クラウドERPは、パブリック型とプライベート型の特性を兼ね備えた形態です。
セキュリティ対策が必要なコアシステムはプライベートクラウドで管理し、それ以外の柔軟性を重視する業務はパブリッククラウドを使用するなど、状況に応じて最適な選択が可能な形態です。
しかし、ハイブリッド型クラウドERPでは管理の複雑さが増す可能性があるため、両環境の統合管理が重要になります。
クラウドERPとオンプレミスERPとの違いはシステムの管理方法
クラウドERPとオンプレミスERPの根本的な違いは、システムがどこで実行され、どのように管理されるかです。
オンプレミスERPは、導入企業が管理する自社サーバーで運用されるため、フルコントロールが可能です。
ただし、運用・維持・アップデートに伴う負担が大きくなる傾向にあります。
対してクラウドERPは、インターネットを介してサービスが提供され、管理もプロバイダ側が負担を軽減してくれる点がメリットです。
クラウドERPを選ぶポイント
クラウドERPを選ぶ場合、以下のポイントを確認しておきましょう。
- 必要な機能で選ぶ
- カスタマイズ性や柔軟性で選ぶ
- 価格で選ぶ
必要な機能で選ぶ
クラウドERPを選定する際は、まず自社の業務プロセスを洗い出し、どの機能が必要かを明確にすることが大切です。
経理・人事・販売管理・製造プロセスなど部門ごとのニーズを把握し、それらを網羅するシステムを選びましょう。
必要以上に多機能なものを選べば、費用が増すだけでなく、操作が複雑になり使いこなすまでに時間がかかるといったリスクがあります。
しかし、必要最低限の機能しかない場合、将来的に業務が拡大した際に対応が困難になるといったケースも考えられます。
そのため、現在必要な機能と将来のビジネス拡大を見据えた機能をバランスよく評価することが重要です。
カスタマイズ性や柔軟性で選ぶ
システムのカスタマイズ性や柔軟性もポイントです。
とくに、独自の業務プロセスを持つ企業の場合、標準化されたシステムでは対応できない状況が発生することもあります。
そのため、企業固有の要望に柔軟に応えられるシステム選びが必要です。
たとえば、APIの豊富さや開発ドキュメントの充実度も重要な判断基準となります。
また、システムを長期間使用することを考えれば、市場の変化に合わせてシステムをアップデートできる柔軟性も重視するべきです。
将来のビジネストレンドや法規制の変更に迅速に対応できる柔軟性があることが、クラウドERPに求められる要件といえるでしょう。
価格で選ぶ
価格の面も考慮しましょう。
クラウドERPは初期投資が少なくて済むケースが多いですが、月額使用料や年間契約など、トータルで見れば予想外にコストがかかることもあります。
そのため、費用対効果を正確に分析し、将来の利益にどうつながるかを考えることが重要です。
低価格を売りにするシステムも魅力的ですが、サポートの質・機能の拡張性・アップグレード頻度など、コスト以外の要素も考慮に入れる必要があります。
安易に安価なクラウドERPを選ぶのではなく、長期に渡るトータルコストと提供される価値を検討した上で、納得できる価格のシステムを選定しましょう。
クラウドERPの成功事例
クラウドERPを導入し、成功した事例を見てみましょう。
以下の企業の成功事例をご紹介します。
- 株式会社カヤック
- 株式会社エクス
- パンチ工業株式会社
株式会社カヤック
株式会社カヤックでは、事業規模の拡大によりデータ管理が困難になっていました。
社員数も100人から160人に増加し、集計作業が難しくなったのです。
そこでパッケージの会計ソフトをはじめとして、労務管理・売上管理・発注・仕入など業務全体を管理するクラウドERPを導入したところ、業務が効率化したそうです。
先々の業務状態を見える化することで、経営予測の精度も向上しました。
株式会社エクス
株式会社エクスでは、クラウドERPを導入する前から自社製品を用いて見える化を行っていました。
しかし、手作業も多く毎月の工数が増えており、データを見ても手遅れの状況が少なくなかったそうです。
そこで、クラウドERPを導入し業務効率化を図ったことにより、作業工数削減を実現したとのこと。
結果として分析へリソースを割くことができ、見える化からわかる化を実現できたようです。
パンチ工業株式会社
パンチ工業株式会社では、海外事業に展開するにあたって、複数国の異なる通貨を利用する必要がありました。
クラウドERPの会計ソフトでは、レート換算や海外との連結会計もスムーズに実現してくれます。
結果として、シンガポールやベトナムを含む7カ国へのビジネス展開を実現できました。
まとめ
クラウドERPを用いることにより初期投資を抑えつつ、リソースを自社のコア事業に注力できます。
プライベートクラウドERPでは、一定水準のセキュリティレベルが担保されているケースもあり、安全性が高い製品も多いです。
クラウドERPの導入により、社内に点在するデータの一元管理や、工数の削減を実現できます。
クラウドERPの導入を検討しているなら、ぜひ一度ノムラシステムにご相談ください。